港区議会 2008-09-29
平成20年度決算特別委員会−09月29日
平成20年度決算特別委員会−09月29日平成20年度決算特別委員会
平成20年度
決算特別委員会速記録(第2号)
平成21年9月29日(火) 午後1時開会
場 所 第3・4委員会室
〇出席委員(34名)
委員長 林 田 和 雄
副委員長 水野 むねひろ 阿 部 浩 子
理 事 杉 浦 のりお 近 藤 まさ子
赤坂 だいすけ 清 原 和 幸
うかい 雅 彦 熊 田 ちづ子
星 野 喬 菅 野 弘 一
委 員 大 滝 実 小 斉 太 郎
山 本 閉留巳 ゆうき くみこ
二 島 豊 司 池 田 こうじ
いのくま 正一 なかまえ 由紀
七 戸 淳 杉本 とよひろ
森 野 弘司郎 樋 渡 紀和子
古 川 伸 一 達 下 マサ子
杉 原 としお 鈴 木 洋 一
風 見 利 男 沖 島 えみ子
渡 辺 専太郎 藤 本 潔
井 筒 宣 弘 鈴 木 たけし
島 田 幸 雄
〇欠席委員 なし
〇出席説明員
区 長 武 井 雅 昭
副区長 野 村 茂 副区長 山 田 憲 司
教育長 高 橋 良 祐
区役所改革推進本部長 井 伊 俊 夫
区役所改革推進課長 佐 藤 雅 志 定額給付金担当課長大 滝 裕 之
副参事(特命担当)
兼務
芝地区総合支所長 小 林 進
区役所改革推進
本部副本部長兼務
芝地区総合支所 藤 春 伸 一 芝地区総合支所 日 高 泉
副総合支所長・ 区民課長
管理課長兼務
麻布地区総合支所長 小 池 眞喜夫
防災・生活安全
支援部長兼務
麻布地区総合支所 遠 山 洋 一
麻布地区総合支所 西 田 京 子
副総合支所長・ 協働推進課長
管理課長兼務
麻布地区総合支所 湯 川 康 生
区民課長
赤坂地区総合支所長 杉 本 隆
子ども支援部長兼務
赤坂地区総合支所 高 橋 辰 美
赤坂地区総合支所 高 嶋 慶 一
副総合支所長・ 区民課長
管理課長兼務
高輪地区総合支所長 家 入 数 彦
産業・地域振興支援
部長兼務
高輪地区総合支所 鈴 木 英 二
高輪地区総合支所 神 田 市 郎
副総合支所長・ 区民課長
管理課長兼務
芝浦港南地区総合 安 田 雅 俊
支所長
保健福祉支援部長兼務
芝浦港南地区総合支所 山 下 充
芝浦港南地区総合 堀 二三雄
副総合支所長・ 支所
管理課長兼務 区民課長
地域振興課長 田 中 修 平 国際化推進担当 解 良 武
課長
税務課長 所 治 彦
防災課長 遠 井 基 樹 生活安全担当課長 中 島 昭 則
保健福祉課長 内 田 聡
みなと保健所長 青 山 キヨミ
参事 近 藤 洋 一
(
生活衛生課長事務取扱)
子ども課長 内 田 勝
環境・街づくり支援 福 田 至
部長
特定事業担当部長兼務
参事 新 村 和 彦
(
都市計画課長事務取扱)
総合経営部長 田 中 秀 司
参事 益 口 清 美
(財政課長事務取扱)
総務課長 北 本 治 人権・男女平等 若 井 世台子
参画担当課長
区長室長 渡 邊 正 信 企画課長 櫻 井 純
用地活用担当課長 冨 田 慎 二
芝浦港南地区施設 青 木 康 平
整備担当課長
区政情報課長 佐 藤 博 史 人事課長 浦 田 幹 男
人材育成推進担当課長 安 藤 俊 彰 契約管財課長 塚 田 浩 一
施設課長 齋 藤 哲 雄 安全対策担当課長 新 井 樹 夫
芝浦港南地区施設建設
担当課長兼務
用地活用・区有施設 安 藤 康 宏
整備担当部長
芝浦港南地区施設
整備担当部長兼務
会計管理者 杉 本 昇 三
(
会計室長事務取扱)
教育委員会事務局次長 小柳津 明
庶務課長 伊 藤 康 博
教育政策担当課長兼務
選挙管理委員会 輿 石 隆
事務局長
監査委員 高 橋 元 彰 監査委員 川 野 貴 清
監査委員 鈴 木 たけし
監査事務局長 山 本 修
〇出席事務局職員
区議会事務局長 花 角 正 英 次 長 日 詰 由 三 ほか
午後 1時00分 開会
○委員長(林田和雄君) ただいまから平成20年度決算特別委員会を開会いたします。
冒頭の委員会ですので、ごあいさつをさせていただきます。このたび、決算特別委員会の委員長をご指名いただきました林田和雄でございます。今回の決算特別委員会を通して、区民生活の向上に寄与できるような審議になりますように、理事者の皆さん、また委員の皆様にご協力をお願いしたいと思います。よろしくお願い申し上げます。
それでは、副委員長から、順次ごあいさつをお願いしたいと思います。
初めに、水野むねひろ副委員長からお願いします。
○副委員長(水野むねひろ君) このたび副委員長を仰せつかりました水野むねひろでございます。委員長を補佐し、決算特別委員会が円滑にまいりますように努力いたしますので、よろしくお願いいたします。
○委員長(林田和雄君) 続いて、阿部浩子副委員長よりお願いします。
○副委員長(阿部浩子君) このたび副委員長を命じられました阿部浩子です。委員長をサポートしながら頑張っていきますので、よろしくお願いいたします。
○委員長(林田和雄君) よろしくお願いします。
それでは、本日の署名委員をご指名いたします。大滝実委員、小斉太郎委員にお願いいたします。
初めに、正副委員長協議の結果、委員長職務代行の順位を決めさせていただきました。水野むねひろ副委員長、そして阿部浩子副委員長の順位に決定いたしましたので、よろしくお願いいたします。
次に、本委員会の担当職員をご紹介いたします。宮内宏之さん、池末佳世子さんです。よろしくお願いいたします。
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○委員長(林田和雄君) 次に、平成20年度決算特別委員会(理事会)申し合せ事項について、理事会で協議の結果、お手元に配付のとおり決定いたしました。職員に朗読させますので、ご確認をお願いいたします。
(職員朗読)
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平成20年度決算特別委員会(理事会)申し合せ事項
1 本委員会は、実質審議日を7日間とする。
2 理事会
(1) 理事会は、委員会の運営に関する事項を協議し、理事会で決定した事項は各会派の責任において遵守する。
(2) 理事会は、必要に応じ適宜開会する。
3 理事は、委員会において、自会派の委員が3分の2以上出席しているよう努力する。
4 委員会日程は、第1日目の日程を踏襲する。(第2日目以降は、配付しない。)
5 各款ごとの審議日程及び基準審議時間は、別表のとおりとする。
6 委員会は、原則として午後1時に開会し、午後5時に終了する。
7 休憩及び審議上区切りの悪い場合、若干の時間延長は、正・副委員長に一任する。
8 資料要求については、正・副委員長で別途協議し、必要に応じて理事会に諮って決する。
9 質疑の方法
(1) 質問は事前通告制とし、別紙様式によって、原則として当該質疑の2日前までに、委員長に提出する。
なお、通告した質問項目以外の質問についても、「その他」として弾力的に対応する。
また、総括質問項目についても質疑前日までに委員長に提出する。
(2) 質疑は、あらかじめ調整された時間内で行う。
(3) 説明員の答弁は簡潔で要を得、質問に直接ふれる答弁となるよう事前に申し入れる。
10 時間の表示について
質問者が時間の経過を知るための表示機器を置くことができる。
11 審議手順
(1) 決算関係資料の説明を受ける。
(2) 監査委員より、
決算等審査意見書の説明を受け、質疑を行う。
(3) 一般会計歳入の説明と質疑を行う。
(4) 一般会計歳出は、款ごとに説明と質疑を行う。
(5) 健全化判断比率についての質疑は、一般会計歳入・歳出質疑に含めて行う。
(6)
国民健康保険事業会計、
老人保健医療会計、
後期高齢者医療会計及び介護保険会計は、それぞれ歳入と歳出を一括して説明と質疑を行う。
12 説明と答弁
(1) 説明は、会計管理者が行う。
(2) 答弁は、担当部課長を中心に行う。
13 行政委員の出席については、正・副委員長で別途協議し、必要に応じて理事会に諮って議長に要請する。なお、要請にあたっては、質問事項を具体的に明示する。
14 総括質問、態度表明の順序
自民党議員団、フォーラム民主、共産党議員団、公明党議員団、みらい
15 委員会の座席について
別紙のとおりとする。
16 委員会室は禁煙とする。
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○委員長(林田和雄君) 以上でありますが、よろしいでしょうか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○委員長(林田和雄君) それでは、平成20年度決算特別委員会(理事会)申し合せ事項は確認されました。
この際、理事者の皆さんに申し上げます。ただいまの申し合わせ事項にありましたとおり、説明員の答弁につきましては、簡潔で要を得、質問に直接ふれる答弁となるよう十分留意し、答弁されるようお願い申し上げます。あわせて、総括質問の答弁につきましても、同様に対応されるようお願い申し上げます。
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○委員長(林田和雄君) 次に、資料要求について申し上げます。
9月24日に共産党議員団より12点、みらいより8点、合計20点の資料要求の申し出がございました。この取り扱いにつきましては、
理事会申し合わせ事項に従いまして、正副委員長で協議した結果、提出願うということになりました。本日、委員会開会前までに各会派に配付しましたので、ご確認をお願いいたします。
次に、質問時間についてですが、持ち時間が終了し、表示機器が鳴った後、引き続き質問された場合の超過時間、並びに時間を残して終了した場合の残余の時間につきましては、正副委員長において、後ほど各会派の理事さんを通じましてご連絡いたしますので、各会派内での調整をお願いいたします。質問者ご本人からの調整する旨の申し出は省略されて結構でございますので、よろしくお願いいたします。
この際、あらかじめご連絡いたします。民生費の質問通告期限は、本日、午後3時までとなっておりますので、委員長までご提出願います。
なお、本日の終了予定時刻は午後6時ぐらいを予定しておりますので、皆様のご協力をよろしくお願いいたします。
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○委員長(林田和雄君) これより審議に入ります。
議案第78号 平成20年度港区
一般会計歳入歳出決算、議案第79号 平成20年度港区
国民健康保険事業会計歳入歳出決算、議案第80号 平成20年度港区
老人保健医療会計歳入歳出決算、議案第81号 平成20年度港区
後期高齢者医療会計歳入歳出決算、議案第82号 平成20年度港区
介護保険会計歳入歳出決算を議題といたします。
最初に、決算関係資料について、理事者の説明を求めます。
○会計管理者[
会計室長事務取扱](杉本昇三君) それでは、平成20年度決算関係書類についてご説明いたします。
各書類とも既にお手元に配布してございますが、それぞれ表紙の右上に数字が付してございます。この順に従ってご説明いたします。
まず、1でございます。「平成20年度港区各
会計歳入歳出決算書」でございます。
この書類には、附属書類の各
会計歳入歳出決算事項別明細書、各会計実質収支に関する調書、財産に関する調書及び基金運用状況調書が含まれております。
これらの書類は、決算の認定にあたり必要な書類として、地方自治法、同施行令及び同施行規則で定められているものでございます。
次に、2でございます。「平成20年度港区各会計主要施策の成果」でございます。
この書類は、各会計の歳入歳出決算を基に区の主要施策の成果について、分析・説明したものでございます。
次に、3でございます。「平成20年度港区各
会計予算執行概要説明書」でございます。
この書類は、各会計の収支実績を事業ごとに説明したものでございます。
今後、この書類を中心にして説明を進めてまいりますので、1の決算事項別明細書と対比できますよう、見開きページの中央に決算事項別明細書の参照ページを記載いたしました。
また、歳入では、収入済額の右側に歳入予算現額との比較増減額を、歳出では、支出済額の右側に不用額を記載してございます。
次に、4でございます。「平成20年度港区各
会計決算参考資料」でございます。
この書類は、各会計の決算内容を表やグラフを用いて、わかりやすく示したもので、款別の対前年度比較、財源別・性質別の構成等を記載してございます。
次に、5ですが、「平成20年度港区各
会計決算等審査意見書及び港区
財政健全化判断比率審査意見書」でございます。
この書類は、各
会計歳入歳出決算、財産の増減状況、基金の運用状況等について、地方自治法で定められた監査委員の意見を記述したもの、及び地方公共団体の財政の健全化に関する法律に基づき健全化判断比率について、監査委員の意見を記述したものでございます。
最後に6ですが、「平成20年度港区
財政健全化判断比率の報告について」でございます。
この書類は、平成20年度の健全化判断比率について、監査委員の審査意見を付して報告するものでございます。
以上で、決算関係書類の説明を終わらせていただきます。
○委員長(林田和雄君) 説明は終わりました。
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○委員長(林田和雄君) 次に、
決算等審査意見書について、監査委員の説明を求めます。
○監査委員(高橋元彰君) 地方自治法第233条第2項及び同法第241条第5項の規定に基づき、平成20年度港区各
会計歳入歳出決算及び平成20年度港区各基金運用状況を審査した結果、監査委員3名の合議を経て、意見をまとめましたので、その概略について、説明いたします。
それでは最初に、お手元の審査意見書の1ページをお開きください。
第1審査の対象、第2審査の期間、第3審査の方法、第4審査の結果におきまして、総括的に、審査の経過と結果を述べております。
第4審査の結果の1決算計数等の状況についてであります。
(1)各
会計歳入歳出決算等の計数は正確であり、関係法令の規定に準拠して作成されているものと認めました。
(2)は、各
会計歳入歳出決算の総計を示しています。各会計の内訳は、2ページ上部の表のとおりです。
(3)財産につきましては、調書と一致しているものと認めました。
(4)基金の運用状況につきましては、適正に運用されているものと認めました。
(5)財務に関する事務及び事務事業の執行状況については、例月出納検査、定期監査、随時監査を実施した結果、一部に、改善又は検討を要するものがありました。
次に、2財政運営の状況です。
3ページ、(1)で一般会計における歳入歳出の対前年度比較等について述べ、続きまして、普通会計ベースによる各財政指標等を概観しております。
ア財政力指数は、1.20でした。イ実質収支比率は、12.2%でした。ウ実質単年度収支は、31億4,847万円余の黒字でした。4ページに移りまして、エ経常収支比率は、61.1%でした。オ公債費比率は、1.6%でした。財政力指数、実質収支比率、実質単年度収支、経常収支比率、公債費比率の財政指標は、良好な財政の運営を示しており、財政状況は安定したものであることが認められます。
5ページ、(2)特別会計では、20年度から設置された
後期高齢者医療会計を含め、
国民健康保険事業会計、
老人保健医療会計、介護保険会計の歳入歳出決算の概要を述べております。4つの特別会計についても、適切な運営が図られたものと認められます。
6ページ中段から、財政運営の状況について総括的に述べております。「港区財政運営方針」に基づく早くからの取り組みにより、平成20年度も引き続き健全財政を維持しました。しかしながら、昨年の金融危機の影響により、経済や雇用環境は厳しい状況にあります。今後の特別区民税収入の動向等を注視しながら、長期的展望に立った財政運営が図られることを期待いたしております。
11ページに移ります。ここからは、第5審査の概況であります。
1一般会計です。(1)決算規模及び決算収支状況について、数値を確認するとともに、12ページでは(2)資金状況について述べております。
次に、13ページ、(3)歳入です。13ページから26ページにかけて、歳入の概況と各款別の歳入決算状況を述べております。
26ページ中段からは、歳入についての意見を述べております。
最初に、(ア)収納確保対策についてです。特別区民税は、平成19年度に比べ約58億円増収となりました。収納対策については、19年度から始まった
コンビニエンスストアでの収納が20年度は増加しました。時間や地域に限定されずに納付が可能であるため、引き続き利用が見込まれます。今後も粘り強く徴収率向上に努めてください。
次に、(イ)収入未済額についてです。特別区民税の収入未済額については、対前年度比20%増加しました。引き続き、現年課税分の収納を徹底し、滞納の発生を抑制することはもちろん、滞納繰越分の収入未済額の縮減、とりわけ大口滞納分の整理に、引き続き粘り強い取り組みをされるよう望みます。また、住宅使用料の収入未済ですが、これも大きな額となっています。滞納者には早期に適切な対応をとるよう努めてください。
次に、(ウ)不納欠損処分についてです。収納対策の強化により、滞納債権の整理が進んでいますが、納入が滞っている債権については、実態を十分に調査し、収納に努めなければなりません。それでもなお徴収不能なものについては、不納欠損処分を行うなど適切な債権管理に努めてください。
次に、28ページ、(4)歳出です。28ページから41ページにかけて、歳出の概況と各款別の歳出決算状況について述べております。
42ページに移ります。歳出について主要な事項として6項目を挙げ、意見を述べております。
最初に、(ア)執行状況についてです。予算現額に対する執行率は、90%であり、過去10年間で最低となりましたが、これは翌年度繰越額が約35億円あるためであります。執行率の低下、不用額の増加には様々な要因があると思われますが、執行率の低い事業については精査し、的確な予算の積算と予算執行管理に努めてください。基金は、1,405億円を超え、過去最高となり、特別区債残額は100億円余となりました。この安定した財政状況のなか、社会状況の変化や経済情勢に十分配慮しつつ、区民の貴重な財源を最大限に活用し、さらなる区民福祉の向上に努めてください。
次に、個別意見を述べています。
まず、(イ)経済動向を踏まえた財政運営についてです。急激な金融危機による景気の低迷と特別区民税収入への影響、
田町駅東口北地区公共公益施設の整備などの財政需要の拡大等を踏まえ、今後の財政運営ついて意見を述べています。
次に、(ウ)
新型インフルエンザ対策についてです。8月から国内での感染が拡大し、死者が発生している
新型インフルエンザ対策について意見を述べています。
次に、(エ)商店街、中小企業等の活性化についてです。緊急不況対策や
商店街活性化支援事業について効果を検証しながら、より一層の対策の実施について意見を述べています。
次に、(オ)消費者行政の推進についてです。消費者行政の推進にあたって、より一層の消費者団体の育成や啓発とともに、消費者庁発足に伴う、消費者センターの機能の向上について意見を述べています。
次に、(カ)低炭素社会の実現に向けてです。地球温暖化対策として、
温室効果ガス排出量の削減に向けた区の積極的な取り組みについて意見を述べています。
47ページに移ります。2
国民健康保険事業会計(1)決算規模及び決算収支状況についてであります。48ページでは(2)資金状況について、49ページからは(3)歳入の決算状況について述べております。
50ページで歳入について意見を述べております。滞納繰越分が増加傾向にありますが、収納率の低迷は、保険事業の運営を妨げ、区財政にも大きな影響を及ぼします。
コンビニエンスストアでの保険料収納は平成16年度以来、件数は増加傾向にありますが、収納額はわずかに減少しています。24時間、曜日、地域に限定されることなく納付が可能であり、なお一層、収納の普及促進に努めてください。今後も、納付相談の実施や徴収調査員による訪問徴収を行い、必要な医療の受診の抑制につながることのないよう十分配慮しつつ、収入未済の低減に努めてください。
53ページからは(4)歳出の決算状況について述べております。
次に、57ページ、3
老人保健医療会計(1)決算規模及び決算収支状況についてです。歳入・歳出とも89%の減となっています。58ページでは(2)資金状況について、59ページからは歳入と歳出の決算状況について述べております。
次に、63ページ、平成20年度から新たに設置された4
後期高齢者医療会計について述べております。(1)決算規模及び決算収支状況について、(2)資金状況についてです。64ページからは、(3)歳入と歳出について述べております。
次に、67ページ、5介護保険会計(1)決算規模及び決算収支状況についてです。68ページでは(2)資金状況について述べております。
68ページ以降、歳入と歳出の決算状況について述べております。69ページ下段で、歳入についての意見、72ページで歳出についての意見をそれぞれ述べております。
保険料は、介護保険制度を支える柱です。昨年来の急激な不況により収入が減少し家計を圧迫している中で、保険料の納付については、きめ細やかな相談に応じ、制度への理解を得ながら保険料の収納にあたってください。
介護を必要とする高齢者は年々増加している一方、介護職員の人材不足は大きな問題になっています。
介護サービス事業者に対しても積極的な取り組みを指導するよう努めてください。
高齢者がいつまでも元気で、安心して地域で過ごせるよう、適切な事業展開を望みます。
次に75ページ、6財産です。82ページまで、公有財産、物品、債権及び基金の増減状況を示しています。
83ページは、7基金の運用状況についてです。
以上で平成20年度港区各会計決算等審査意見の概略説明は終わります。
なお、85ページからは
財政健全化判断比率審査意見を記載しておりますが、港区の財政は非常に健全であり、特に指摘すべき事項はありません。
以上で、終わります。ありがとうございました。
○委員長(林田和雄君) 説明は終わりました。
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○委員長(林田和雄君) これより
決算等審査意見書の質疑を行います。
初めに、沖島委員。
○委員(沖島えみ子君) 時間の関係でまとめて質問いたしますので、よろしくお願いいたします。
区の財政状況は、財政力指数1.20、経常収支比率61.1%、公債費比率1.6%、基金残高も1,411億円で過去最高、区債残高は118億円と過去最低、港区財政は非常に豊かです。審査意見書では、「財政状況は安定したものであることが認められる」と極めて控え目に述べていますが、貴重なお金が本当に区民の福祉向上に使われているのかどうか疑問です。豊かな財政は福祉向上など区民のために使ってほしいと私は思いますが、監査委員の考えをお聞かせください。
次は、待機児童解消のための保育園建設について伺います。
昨年の審査意見書は、「区は子育て施設の整備を最重要課題として取り組んでいるが、なお一層、保育施設の充実を図り、待機児童の解消に向けての施策が推進されることを期待する」と述べています。待機児童は9月1日時点では944人と、昨年より大幅に増えているのに、ことしはその指摘がありません。
中小企業に勤める母親は、「中小企業ゆえ自分の仕事をかわる人はなく、夫もこの不況で給料も減額。会社を休むことはできない。夫の母親に九州から出てきてもらって、子どもを見てもらっている」と言います。また、ある人は、「育児休暇が切れるのに保育園がまだ決まっていない。自分のこれまで築いてきた職場でのキャリアはどうなるのか」など深刻な状態です。待機児童が1,000人近くにもなっているのですから、区は子育て施設の整備を最重要課題として取り組み、保育施設の充実、待機児童の解消に向けての施策が推進されるべきと思いますが、いかがお考えでしょうか。
次に、特別養護老人ホームの建設、高齢者施策の充実等について伺います。
介護保険の保険給付費の予算執行率は90.6%で前年度を下回り、保険給付費も9億3,377万円も不用額となっています。こうした中、特別養護老人ホームの待機者は、8月末現在464人にも上っています。「何年待っても特養に入れない。介護している自分の方が先に倒れてしまう」と老老介護の方の悲痛な声。また、特別養護老人ホームに入れなく、やむなく病院に入らなければいけない人は、病院への支払いが月額40万円から50万円にもなってしまうという状態です。南麻布の特別養護老人ホーム200床が整備されても特別養護老人ホームは不足します。
審査意見書では、「介護を必要とする高齢者は年々増加しており、保険給付費も拡大を続けている。様々な介護サービスや質の向上が求められている」、「高齢者がいつまでも元気で、安心して地域で過ごせるよう、適切な事業展開を望む」と述べています。区民の実態からも特別養護老人ホームの建設、高齢者施策の充実が急がれていると思いますが、考えをお聞かせください。
次に、商店街、中小企業等の活性化について伺います。
審査意見書は、「100年に一度と言われる金融危機により、国政のみならず地方自治体でもさまざまな施策が実施されている」と述べていますが、「今後は、中小企業に対しては、優秀な人材を確保するための面接会や経営戦略の構築支援、信用保証協会の保証によらない新たな融資制度、中小企業相互の交流や受発注の促進など、幅広い支援が求められている」と述べています。重大な指摘だと思います。信用保証協会の保証によらない新たな融資制度とは、中小企業相互の受発注の促進についてとは、その具体的なお考えをお聞かせいただきたいと思います。
中小企業の人たちは、とにかく仕事が欲しい、これが実態です。この願いに行政がどうこたえていくのか問われます。港区が発注する仕事を、中小企業に振り向けていくことも大事だと思います。施設建設の際、下請、孫請で区内業者活用を契約時に義務づけたり、高齢者の住宅改修事業などは区内中小業者に行わせたり、物品購入も区内業者優先にできるものを増やしたり、改めて全庁的に何ができるのかを洗い出すことが必要だと思います。考えをお聞かせください。
最後に、国民健康保険の問題について伺います。
審査意見書は、「災害や病気、事業の廃止等特別の事情により生活が困難な状態になった場合、保険料の徴収猶予や減免制度の適用については、その趣旨に沿って適切に運用されるよう配慮を望む」と意見を述べています。この意見は、毎年審査意見書で指摘されているものです。
国保加入世帯の35.87%、1万5,360世帯が滞納世帯であるのに、昨年度の減免世帯数はわずか42世帯、うち大部分は在監です。病気2世帯、収入減2世帯は、現状から見ても、非常におかしなものだと私は思います。国民健康保険の加入者は中小企業が多く、その中小企業も仕事がなく、払いたくても払えない保険料に頭を痛めています。監査委員の指摘は、個別の事情を十分に聞く相談のあり方と同時に、実態に沿って減免が受けられるようにとの指摘だと思いますが、いかがお考えでしょうか。
○監査委員(高橋元彰君) それでは、沖島委員にお答えさせていただきます。
平成20年度決算の基金残高を見ますと、ご指摘のとおり、その額は1,400億円を超えており、港区の財政状況は非常に健全であり、豊かであると言えます。しかし、昨年来の金融危機の中、また、昨日来の円高の推移を見ておりますと、先行きの不透明感がさらに増してきたのだと感じております。したがいまして、将来を見ましたときに、財政面でもなかなか困難な状況が招来するのではないかと推測されるところであります。これにつきましては、審査意見書の43ページに記載したとおりでございます。地方自治体の基礎的な役割は、住民福祉の増進を図ることであり、区は、そのための仕事にしっかりと取り組んでいるものと考えております。今後も住民福祉の向上に、積極的に対応していただければと期待しているところであります。
2番目の待機児童のご質問でございますが、実は打ち明けた話を申し上げますと、毎年、主要意見を絞るのに大変苦労いたしております。本年度も待機児童についてどうしようか、監査委員の合議で最後までいろいろ議論したところであります。しかし、今回は、区におかれましては、弾力的な運用等により、区立保育園の定員増や暫定保育施設の開設など、待機児童の解消に大変努力しておられます。そのことを考慮いたしまして、総論の43ページで積極的に対応してほしいと、そういうお願いをしたところであります。しかし、そうした努力にもかかわらず、依然として待機児童がなかなか解消されないという状況があるわけでございまして、この原因として、恐らく想定を上回る定住人口が増えたのではないだろうかと。さらには、先ほど委員がご指摘されました、この金融危機の中で、家庭の主婦が働きに出るというような状況の中で、恐らくそのことに対応できなかったのではないだろうか、そんなふうに考えております。
区は、引き続き待機児童の解消を区政の最重点事項として取り組んでいると伺っております。本年度も港南地区、さらには青山地区に、新たな保育室を整備、運営すると聞いており、今後とも待機児童の解消に向けて、さらなる取り組みを期待しているところでございます。
3番目につきまして、特別養護老人ホームのことでございますが、特別養護老人ホームの建設、それから高齢者施策の充実についてとありますが、長い間介護を続けた末に、一人ではどうにもならず、配偶者や親を殺傷するといった事件が報道されると、大変心が痛むわけであります。私も昨年7月、高齢の母を亡くしましたが、軽度でございましたが、これらの方々の苦しみはよくわかっているつもりでございます。そして、だれもが健やかに元気で生きていたいと願っているわけでありますが、なかなか現実はそうはいかない、厳しいものであると思っております。
介護が必要になっても、住み慣れた地域で快適に生活できるよう、区は最大限の支援をするべきであり、特別養護老人ホーム等の介護施設の整備や介護サービスの充実は、避けて通れないものと考えております。特別養護老人ホームへの入所を希望する方も、多数待機しておられる現実があるわけでございますが、在宅で介護をされる方、介護を担う方のご負担が少しでも軽減されるよう、区におかれましても、さらなる努力をされますよう、施策の充実を期待しているところであります。
なお、後半につきましては、川野委員からお答えさせていただきます。
以上であります。
○監査委員(川野貴清君) では、沖島委員の後半についてお答えしたいと思います。
新たな融資制度についてのご質問でございます。
区では、中小企業の経営改善融資として、区が利子の一部を負担することにより、低利で融資を受けられるよう金融機関にあっせんしています。こうした融資制度は、不況下にあって大きな成果を上げており、信用保証協会の保証を前提としているものでございます。審査意見書の中で記載させていただきました、保証協会の保証によらない新たな融資制度とは、例えば、ある金融機関と区が提携し、区が主催するものづくりコンテストで優秀な成績をおさめた企業や、他の中小企業の規範となるような経営革新ビジネスプラン・コンテストなどでトップをとった企業には、提携銀行が保証協会の保証によらず融資するというもので、実際に6区ぐらいで実施されていると聞いております。中小企業の資金繰りの支援という経営改善融資のみならず、産業振興の観点からの融資という意味で意見を述べさせていただいたものでございます。
中小企業相互の受発注の促進については、同業種や関連業種の交流を基盤としたグループ化による受発注促進や大規模な産業展への参加支援などが必要と考えています。
次に、中小企業への発注についてです。昨年来の金融危機に影響され、中小企業の経営は、大変厳しい環境にあります。日本全国で消費の低迷や受注の減少が起きていることは、新聞やテレビニュース等で報道されない日はないくらいでございます。区では、緊急総合不況対策本部会議を組織して、官公需の前倒し発注や緊急雇用対策など、全庁挙げて中小企業の振興に取り組んでいると聞いております。引き続き、区内中小企業の振興や地場産業、伝統工芸産業の支援などに何ができるか、英知を尽くして努力していただきたいと期待しております。
最後に、国民健康保険料の減免についてでございます。
国民健康保険料の減免制度は、港区国民健康保険料の徴収猶予又は減免の事務取扱要綱に基づき実施されています。災害や病気、事業の廃止等特別の事情により生活が困難な状態になった場合は、必要な医療の受診の抑制につながることのないよう、個別の事情に十分配慮しつつ、きめ細かな納付相談や訪問徴収を行うべきものと考えております。国民健康保険制度に対する信頼性の保持の観点からも、実態に合った適切な減免制度の適用を望むものでございます。
以上でございます。
○委員(沖島えみ子君) どうもありがとうございました。区の今後の財政の見通しを見ましても、区債並びに基金等についても、これからも今年度と同様の推移であろうことが幾つかの資料でも明らかです。ですから、世間一般的に言いますと、本当にこの不況で港区の財政も大変なのだろうなという意識を普通の人たちは持っているわけですけれども、でも港区の財政は本当に豊かなのですね。これがしっかりと、私たち区民のために返ってきているのかどうかということが、私はまだまだ考えなければいけない問題かなということを感じております。幾つかのお考えをお聞きする中で、やはり地方自治体の本旨に沿っての福祉優先のお金の使い方をすべきであるというお話がされましたので、今後とも、私たちに対しても貴重なご提言を期待いたしまして、終わります。
○委員長(林田和雄君) 沖島委員の発言は終わりました。
これにて
決算等審査意見書の質疑は終了しました。
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○委員長(林田和雄君) これより一般会計歳入の審議に入ります。
一般会計歳入について、理事者の説明を求めます。
○会計管理者[
会計室長事務取扱](杉本昇三君) それでは、平成20年度決算の総括及び歳入についてご説明いたします。説明は、決算関係書類の3、平成20年度港区各
会計予算執行概要説明書により行います。
まず、各
会計歳入歳出決算の総括についてでございます。2ページをお開きください。ページ数は見開きの状態で、左右両端の下段に付してございます。
平成20年度港区各
会計歳入歳出決算総括表でございます。一般会計、
国民健康保険事業会計、
老人保健医療会計、
後期高齢者医療会計及び介護保険会計を合わせた歳入決算額は、1,599億5,082万6,192円、歳出決算額は、1,452億5,233万4,275円で、歳入歳出差引額は、146億9,849万1,917円でございます。
総括表の最上段の一般会計におきましては、歳入歳出差引額130億7,665万488円のうち、34億9,380万4,436円は、地方自治法第213条に定める繰越明許費として、平成21年度において特定の事業に使用する経費として繰り越しをいたしました。また、この繰越明許費を控除した額の2分の1にあたる、47億9,142万3,026円は、地方自治法、地方財政法及び港区財政調整基金条例の規定により、直接、港区財政調整基金に編入してございます。
従いまして、一般会計における純繰越金は、47億9,142万3,026円であり、他の三会計と合わせました平成20年度の純繰越金は、64億1,326万4,455円でございます。
次に、一般会計歳入各款の決算状況についてご説明いたします。8ページをお開きください。
まず、第1款特別区税でございます。収入済額は、669億8,482万832円で、予算現額に対する収入率は、100.3%でございます。
内容でございますが、項の1特別区民税につきましては、収入済額618億7,947万2,772円で、予算現額に対する収入率は、100.3%でございます。
次に10ページ、項の2軽自動車税につきましては、収入済額5,752万8,173円で、予算現額に対する収入率は、99.4%でございます。
次に12ページ、項の3特別区たばこ税につきましては、収入済額50億4,578万337円で、予算現額に対する収入率は、100.0%でございます。
次に14ページ、項の4入湯税につきましては、収入済額203万9,550円で、予算現額に対する収入率は、142.4%でございます。
次に16ページ、第2款地方譲与税でございます。収入済額は、5億6,135万6,000円で、予算現額に対する収入率は、93.1%でございます。
内容でございますが、項の1自動車重量譲与税につきましては、収入済額4億2,483万8,000円で、予算現額に対する収入率は、94.6%でございます。
次に18ページ、項の2地方道路譲与税につきましては、収入済額1億3,651万8,000円で、予算現額に対する収入率は、88.6%でございます。
次に20ページ、第3款利子割交付金でございます。収入済額は、10億7,506万2,000円で、予算現額に対する収入率は、121.1%でございます。
次に22ページ、第4款配当割交付金でございます。収入済額は、3億1,330万6,000円で、予算現額に対する収入率は、62.2%でございます。
次に24ページ、第5款株式等譲渡所得割交付金でございます。収入済額は、1億1,182万3,000円で、予算現額に対する収入率は、23.9%でございます。
次に26ページ、第6款地方消費税交付金でございます。収入済額は、97億7,304万8,000円で、予算現額に対する収入率は、103.2%でございます。
次に28ページ、第7款自動車取得税交付金でございます。収入済額は、5億6,248万1,000円で、予算現額に対する収入率は、83.1%でございます。
次に30ページ、第8款交通安全対策特別交付金でございます。収入済額は、5,497万5,000円で、予算現額に対する収入率は98.2%でございます。
次に32ページ、第9款地方特例交付金でございます。収入済額は、13億986万5,000円で、予算現額に対する収入率は、104.8%でございます。
内容でございますが、項の1地方特例交付金につきましては、収入済額9,488万8,000円で、予算現額に対する収入率は、271.1%でございます。
次に34ページ、項の2特別交付金につきましては、収入済額11億9,466万6,000円で、予算現額に対する収入率は、100.1%でございます。
次に36ページ、項の3地方税等減収補てん臨時交付金につきましては、収入済額2,031万1,000円で、予算現額に対する収入率は、100.0%でございます。
次に38ページ、第10款特別区交付金でございます。収入済額は、87億9,348万3,000円で、予算現額に対する収入率は、114.2%でございます。
次に40ページ、第11款分担金及び負担金でございます。収入済額は、9億126万402円で、予算現額に対する収入率は、93.7%でございます。
次に44ページ、第12款使用料及び手数料でございます。収入済額は、48億6,917万818円で、予算現額に対する収入率は、98.3%でございます。
内容でございますが、項の1使用料につきましては、収入済額は、39億6,829万2,797円で、予算現額に対する収入率は、101.0%でございます。
次に58ページ、項の2手数料につきましては、収入済額は、9億87万8,021円で、予算現額に対する収入率は、87.6%でございます。
次に64ページ、第13款国庫支出金でございます。収入済額は、106億9,781万6,619円で、予算現額に対する収入率は、96.4%でございます。
内容でございますが、項の1国庫負担金につきましては、収入済額は、40億5,865万264円で、予算現額に対する収入率は、92.6%でございます。
次に68ページ、項の2国庫補助金につきましては、収入済額65億8,201万614円で、予算現額に対する収入率は、98.7%でございます。
次に76ページ、項の3国庫委託金につきましては、収入済額5,715万5,741円で、予算現額に対する収入率は、125.5%でございます。
次に78ページ、第14款都支出金でございます。収入済額は、39億1,566万6,183円で、予算現額に対する収入率は、101.7%でございます。
内容でございますが、項の1都負担金につきましては、収入済額11億1,348万5,390円で、予算現額に対する収入率は、83.1%でございます。
次に82ページ、項の2都補助金につきましては、収入済額18億9,956万6,342円で、予算現額に対する収入率は、116.4%でございます。
次に92ページ、項の3都委託金につきましては、収入済額9億261万4,451円で、予算現額に対する収入率は、102.8%でございます。
次に98ページ、第15款財産収入でございます。収入済額は、79億7,128万9,494円で、予算現額に対する収入率は、100.1%でございます。
内容でございますが、項の1財産運用収入につきましては、収入済額11億6,380万8,644円で、予算現額に対する収入率は、100.9%でございます。
次に102ページ、項の2財産売払収入につきましては、収入済額68億748万850円で、予算現額に対する収入率は、100.0%でございます。
次に104ページ、第16款寄附金でございます。収入済額は、8億3,849万5,636円で、予算現額に対する収入率は、103.9%でございます。
次に106ページ、第17款繰入金でございます。収入済額は、9億9,966万5,000円で、予算現額に対する収入率は、82.9%でございます。
次に112ページ、第18款繰越金でございます。収入済額は、34億804万2,153円で、予算現額に対する収入率は、100.0%でございます。
次に114ページ、第19款諸収入でございます。収入済額は、18億9,356万3,030円で、予算現額に対する収入率は、106.8%でございます。
内容でございますが、項の1延滞金、加算金及び過料につきましては、収入済額8,398万5,198円で、予算現額に対する収入率は、85.5%でございます。
次に116ページ、項の2特別区預金利子につきましては、収入済額5,719万3,733円で、予算現額に対する収入率は、127.6%でございます。
次に118ページ、項の3貸付金元利収入につきましては、収入済額5億5,589万899円で、予算現額に対する収入率は、100.6%でございます。
次に122ページ、項の4受託事業収入につきましては、収入済額3億5,954万1,700円で、予算現額に対する収入率は、145.8%でございます。
次に126ページ、項の5収益事業収入につきましては、収入済額7,391万7,572円で、予算現額に対する収入率は、97.3%でございます。
次に128ページ、項の6雑入につきましては、収入済額7億6,303万3,928円で、予算現額に対する収入率は、101.1%でございます。
以上によりまして、一般会計の歳入合計は、134ページ、最下段の歳入合計欄に記載のとおり、予算現額1,244億1,164万8,000円に対する収入済額は、1,250億3,518万9,167円で、収入率は100.5%でございます。
以上で、一般会計歳入全款についての説明を終わらせていただきます。
○委員長(林田和雄君) 説明は終わりました。
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○委員長(林田和雄君) これより一般会計歳入の質疑を行います。
初めに、風見委員。
○委員(風見利男君) それでは、歳入について質問いたします。
今の日本、特に小泉内閣による構造改革路線によって貧困と格差が大問題になっています。特に1990年の労働者派遣法の改悪、日本共産党以外の政党の賛成で決められたわけですけれども、ここから派遣だとか、請負だとか、雇用形態が大きく変わり、働く貧困層、ワーキングプア、一生懸命働いても年収200万円以下の人が1,000万人を超すというひどい状況に追いやられています。政治の責任が極めて重大だと思います。
経済協力開発機構、OECDの調査によると、日本の相対的貧困率は14.9%ですけれども、これはOECD加盟30カ国中、悪い方から4番目、日本より後位なのはメキシコ、トルコ、アメリカです。欧州諸国の相対的貧困率はほぼ10%前後です。ここで注目すべきことは、租税政策や社会保障を通じた所得再配分前の貧困率を比べると、日本以上に貧困層の多い国が少なくないということです。このことは欧州諸国では所得の再配分によって貧困層を少なくする方向でよく機能している、こういうことを示していると言われています。働かせ方、あるいは社会保障のあり方を正すことは当然ですけれども、所得の再配分についても根本から考え直す必要があると私は思います。
そこで、お聞きしますけれども、2003年度から2008年度までの特別区民税収入の推移について教えていただきたい。
○税務課長(所治彦君) 特別区民税収入でございます。平成15年度、433億7,487万円、前年度比で3%の増でございます。平成16年度、462億7,199万円、同じく6.7%の増でございます。平成17年度、538億7,696万円、同じく16.4%の増でございます。平成18年度、614億1,208万円、同じく14%の増でございます。平成19年度、560億3,302万円、これは8.8%の減でございます。平成20年度、618億7,947万円、同じく10.4%の増となっております。
○委員(風見利男君) 人口も増えて、当然納税義務者も増えてきているので、ある時期まで順調に伸びてきているわけですけれども、今お答えいただいたとおり平成19年度は前年度8.8%の減となっているわけですけれども、これは今まで区民税が3段階の税率だったものがフラット化、いわゆる一律6%になってしまったからだと私は思うわけですけれども、ここ3年間のフラット化による影響額、それぞれ年度ごとに教えていただきたい。
○税務課長(所治彦君) 個人住民税のフラット化の影響についてでございます。影響額を正確に算出するのは非常に困難でございますので、統計データとして私ども持っております各年度の総所得の課税標準額に旧税率を乗じて把握した概算額でお答えさせていただきたいと思います。まず、平成19年度でございますけれども、フラット化の影響額は約167億400万円、平成20年度、約192億4,700万円、平成21年度、これは当初課税で把握しておりますけれども、約190億600万円となります。
○委員(風見利男君) これだけフラット化による影響が出ていると。このことは、なぜかというと、それだけ高額所得者が優遇されて、その分、区民税の収入に影響を与えているという結果だということは明らかなわけです。そこで、戦後日本は累進課税ということでずっと進めてきたわけですけれども、その累進課税とはどういうことなのかということと、そのメリットについて簡単に教えていただきたい。
○税務課長(所治彦君) 累進課税の制度でございます。通常所得税等では、超過累進課税制度と申しまして、一定の所得ごとに段階の税率を設けまして、例えば、100万円の所得については2%、それを超え200万円までは4%という形で、所得が高くになるにつれて税率が高くなるという形で税金をかけることを超過累進課税制度と申しております。一般的に超過累進課税制度のメリットとして言われておりますのは、低所得者層の税率を低く、それから高所得者層の税率を高く設定することによって、富の再配分が実現できるというのがまず1点。それから負担能力のある方に税金を高く負担していただくことができるということが2点ということで、一般的に言われております。
○委員(風見利男君) 今、課長からお答えいただいたとおり、後でパネルでどうなってきたのかというのをお示ししますけれども、先ほどお答えいただいたように、フラット化によって3年間だけで540億円ぐらいの減収、区税への影響が出ていると。それはなぜかというと、税率が3%と8%と10%だったのですけれども、それを一律6%にしたことによって、8%、10%の税率だった人の税金が下がると。一方、所得の低い3%の人が6%と倍になると。ですから、これだけ見ても高額所得者が減税になっていることがよくわかるわけで、これでは、今課長が言った富の再配分にはならないと思います。
住民税について言いますと、昭和60年までは13段階だったわけです。ところが、平成19年度から今、一律6%となっているわけです。一方、所得税の方も、昭和58年までは19段階だったけれども、現在6段階となっているわけで、8,000万円超が75%の税金だったのが、今は1,800万円超は40%ということで、実際35%下がっているわけです。これは今まですべての人が75%ではなくて、金額ごとに税金が取られていたわけで、実際は大体40%から50%の税率という状況、これが従来、先ほど課長の説明があった、私は高度累進課税と言っているのですが、課長の方は超過累進課税ということで、これが所得の再配分、ずっと日本の税制を支えてきたと思います。ところが、歴代の自民党政府によって、大企業と高額所得者のために減税をどんどん、税率を軽減してやってきたと。ですから、現在6段階にまで下がってしまったということです。
最近の新聞報道を見ますと、アメリカやイギリスでは富裕族、いわゆる大資産家に増税して、それを低所得者層の減税や医療に使うと、このように大きく報道されてきています。私は所得に応じて税率を決めるという従来の方式が、所得の再配分、これからの社会保障や何かを支えていく上で、大変大事な税制のあり方だと思いますけれども、そのことについてはいかがでしょうか。
○参事[財政課長事務取扱](益口清美君) 平成19年度における税制改正についてでございますけれども、地方分権改革を推進するために、国から地方への税源移譲を目的といたしまして、国の所得税を減収にし、地方の区民税を増収にするというものでございます。具体的には、国の所得税の税率を4段階から6段階に改正して、最高税率も37%から40%にするなど累進性を高めてございます。
一方、地方税の区民税についてでございますけれども、一律フラット化させることによって応益性を高めたということになってございます。個人個人の税負担額につきましては、所得税と住民税を合算すれば、フラット化以前の従前と同額になるように設定されてございます。つまり、住民税が下がった高額納税者につきましては、その分所得税が上がってございまして、合算すれば同じということでございます。所得の再配分機能につきましては、所得税と住民税を合算すれば、従前と変わっていないと認識してございます。
○委員(風見利男君) それは、この間の税制改正のことを言っているので、私が先ほど言ったように、住民税で言えば13段階が、現在は一律化され、所得税について言えば昭和58年のときに、19段階が、今6段階になっていると。こういう点では全然昔と違うのではないかと。だから、いわゆる高度累進課税、超過累進課税という方式が税制として一番いいのではないかと。そのことについて聞いているわけで、この間の税制改革がどうのこうのと聞いているわけではないですから、そこはしっかりお答えいただきたい。
○参事[財政課長事務取扱](益口清美君) 従来方式との差ということでございましたので、私は19年度の税制改正の前後ということでお答えさせていただきました。それ以前の昔からのということでございますれば、税の機能の一つとして所得再配分機能というものがございまして、そのためには所得に応じた累進性というものは必要な制度と考えてございます。したがいまして、国における所得税などについては、国の政治判断の中で累進性について決定していくべきものだと考えてございます。
○委員(風見利男君) 前半は累進性というのは必要だと認めたわけですけれども、税制のあり方を、国民の生活実態を考えたときに、地方自治体も国が決めることということではなくて、区としてもきちっと意見を上げていくということは当然あってしかるべきだと思いますけれども、そういう点では超過累進課税が、いわゆる所得の再配分にとって最適だと思うので、そういう立場で、ぜひ国にも地方自治体として意見を上げていくということは必要だと思いますが、その辺はいかがですか。
○参事[財政課長事務取扱](益口清美君) 国の税制改正に伴う税率につきましては、国の政治判断で決定すべきものと考えてございまして、国の税制につきまして、意見を述べることは考えてございません。
○委員(風見利男君) ぜひそれは検討していただいて、国に意見を上げていくのは地方自治体として当然の権利なわけですから、別に国の言うことを、「はい、はい」と唯々諾々と聞く必要はないわけで、意見を上げる相談をぜひしていただきたい。
もう1点、時間がなくなってきたのですけれども、いわゆる株などの譲渡所得に係る分離課税に関係してお伺いしたいのですけれども、国民が一生懸命汗水たらして働いて、老後の心配もあるので蓄えをすると。こういう預貯金に対しては、ほとんど今利子がつかない一方、利子にかかる税金が20%も取られると。その一方、株価に対する税率は10%と。こういう状況になっているわけで、それも本来20%なのに、軽減措置ということで10%に据え置きされているわけですけれども、この間の特別区民税における譲渡所得に係る税金の収入はどうなっているのか。3年間ぐらいを教えていただきたい。
○税務課長(所治彦君) 株式等の上場株式等譲渡所得に係る課税額につきましては、平成18年度が約37億5,500万円、平成19年度が約31億490万円、平成20年度が約42億5,780万円でございます。
○委員(風見利男君) 課長、これは税率10%ですよね。本則だと20%ですから、本来であれば、これの倍が区税として入ると、そういう理解でよろしいですか。
○税務課長(所治彦君) 平成20年度も10%でございますけれども、ほぼ倍の税となると考えております。
○委員(風見利男君) 先ほど言ったように、預貯金の利子には20%の税金がかかって、一方、働かないで株の取引だけでもうけた方には、本来20%取ることが必要なのに、それを10%に軽減していると。私はこういうことについても、区の税収をきちっと確保するという観点から、国にきちっと意見を上げていく必要があると思います。時間が来たので指摘だけしておきますけれども、ぜひ検討して対応するようにお願いしたいと思います。
以上で終わります。
○委員長(林田和雄君) 風見委員の発言は終わりました。
……………………………………………………………………………………………
○委員長(林田和雄君) 次に、杉本委員。
○委員(杉本とよひろ君) 一般会計歳入では、第1に、予算現額と収入済額の比較、第2に、予算の執行状況、第3に、予算編成方針における歳出予算、第4点に、国の税制改正や制度改正による区への影響など4項目についてお伺いいたします。
リーマン・ショック、いわゆる金融危機から1年余りたった現在、100年に一度と言われた景気、経済の悪化は、世界をはじめ我が国においても影響を及ぼし、とりわけ港区の平成20年度決算において、どのような形であらわれてきたのか。また、景気の悪化と相まって、国の税制改正による本格的な影響が数字としてあらわれてくるのは、むしろ平成21年度以降の決算ではないかと思うわけであります。
初めに、歳入に関する予算現額と収入済額の比較、つまり、当初予算と補正予算を合わせた最終的な予算と実際に収入された額の差についてお伺いします。
先ほど冒頭に会計管理者の方から、予算現額に対する収入済額の説明が各項目ごとにございましたけれども、平成20年度の予算現額は約1,244億1,164万円、そのうち実際収入となった収入済額は約1,250億3,518万円、その差が約6億2,354万円の増、予算現額に対しての収入率は100.5%となっており、トータルで見たときの歳入に関しての予算見積もりとしては妥当な範囲だと思われるわけであります。収入率が増となった理由の一つは、区の歳入の約54%を占めている特別区税で、その中でも、とりわけ90%以上を占めている特別区税収入の増収にあると思われます。
特別区民税の予算現額は約616億6,000万円に対し、収入済額では約618億7,000万円と約2億1,000万円の増となっています。予算現額に対しての収入率は100.3%となっております。また、前年度と比較すると、人口は21万7,859人から、約4,000人増加して22万1,815人、それに伴い、特別区民税収入の収入済額は約58億円、率にして10.4%の増となっております。自主財源として歳入の根幹をなす特別区民税収入については、人口の伸び率が特に注目されるところであり、そのためにもさまざまな分析データを駆使していく必要があると思います。あわせて、外国人の動向も注視していく必要があります。
そこで、お伺いしますけれども、現在も引き続いて人口増加傾向が続いている中、当初の見積もり予想を大きく上回る結果となりましたが、どのような分析をもとにして、特別区民税収入の予算を立てたのか。またあわせて、増えることは、結果としては喜ばしいことでありますが、予算現額と収入済額の差額についてどのように考えているのか、まずお伺いします。
○参事[財政課長事務取扱](益口清美君) 平成20年度当初予算における特別区民税収入の見込み方についてでございますけれども、平成19年度に住民税フラット化という大きな税制改正があったために、これまでの収入実績を参考にできないということがありまして、非常に難しい見積もりになりました。そのため、予算編成時期における平成19年9月の収入実績をベースに伸び率等を勘案して見積もりましたが、年度途中で増収が見込まれ、収入実績に応じて最終補正で増額してございます。
その結果といたしまして、平成20年度決算における予算現額と収入済額の差は2億1,000万円となり、予算現額において0.3%程度の増となりました。この辺の数字は妥当な範囲だと考えてございます。通常、区民税収入の見込みは、過去の実績と人口や景気動向から推計いたしますけれども、港区は高額の納税者の方が多く、特別区民税の当初課税額が、その後の所得税の修正申告に伴って、億単位で増減することが多く、予測を立てるのが難しい原因の一つとなってございます。
○委員(杉本とよひろ君) また一方で、景気の影響を受けて、配当割交付金や株式等譲渡所得割交付金が大幅な減収となったわけですけれども、特に株式等譲渡所得割交付金については、予算現額に対しての収入率が23.9%、約3億5,000万円の減額となりましたが、この辺の分析についてはいかが考えているのか。また、こうした景気後退で大きく影響を受ける場合、歳入の予測は非常に難しいと思いますけれども、その点いかがでしょうか。
○参事[財政課長事務取扱](益口清美君) 配当割交付金や株式等譲渡所得割交付金でございますけれども、企業の株式の配当や売買に伴う譲渡益を原資としているということでございまして、企業業績の影響を大きく受けます。そのために景気の動向に非常に左右されやすいという性質を持っておりまして、当初の予測を大幅に下回る減収となったということでございます。今回の景気後退でございますが、100年に一度と言われる経済危機に起因しておりまして、平成20年度の年度当初で急激に悪化したということで、予測が難しくなったと言えます。今後も歳入予算につきましては、引き続き適切な見積もりに努めてまいります。
○委員(杉本とよひろ君) 次に、不用額の増加と執行率の低下についてお伺いします。
予算現額に対して、支出済額は約1,119億5,000万円、そのうち翌年度に繰り越した繰越額約35億4,000万円を差し引いた不用額は、過去10年間で最高額の約89億860万円となっています。予算現額に対して繰越額を除いた執行率は92.8%、これは過去最低となった前年度の執行率と同率となります。
そこで、お伺いしますけれども、これほどの大きな不用額を出し、執行率が低下したことについて、主な要因はどのように考えているのかお伺いします。
○参事[財政課長事務取扱](益口清美君) 不用額の主な要因でございますが、施設建設費や物品購入費等の契約落差金でございますが、これが不用額のうちの20%程度です。そのほか、事業実績が伸びなかった、対象者数などの実績が予想より少なかったというものが約40%、合わせて45億円ほどになります。そのほか、予算編成以降、事業手法の変化、見直しをしたとか、環境の変化が生じたとかというもので15.1%というようなこととなってございます。
○委員(杉本とよひろ君) これは昨年度も、歳入決算において、不用額の増加と執行率の低下については指摘してまいりました。主な要因は、前回とそんなに大きくは変わらないと思いますけれども、そのときに財政課長は、「事業手法の見直し、予算編成や予算の執行管理の適正化に当たって、行政評価制度などを活用しながら、事業の運営方法、費用対効果、後年度負担などを十分検証し、的確な予算の執行管理に取り組んでいく」と答弁されているわけでありますけれども、これまでの間、果たしてそれがなされたのでしょうか。
また、行政評価制度が本当に生かされているのか。そういったことを踏まえて、先ほどの審査意見書にもるる指摘されておりますけれども、私は、これまでの結果をしっかりと分析した上で、的確な予算の積算と効率的な予算の執行管理に一層の取り組みを訴えるものでございます。確かに不用額はすべて好ましくないとは言いませんけれども、要は内容が大事だと思うわけであります。組んだ予算は是が非でも使い切らないとまずいというような無駄遣いの使い方の発想になってしまうのは、当然本末転倒となってしまうわけでありますけれども、改めて財政課長のご見解をお伺いいたします。
○参事[財政課長事務取扱](益口清美君) それぞれの事業に必要な予算につきましては、常に「最少の経費で最大の効果」の基本原則を踏まえて、過去の実績や事業部門の推計などを参考に、適切な積算に努めているところでございます。しかしながら、20年度決算においても多額の不用額が出たということは重く受けとめており、全庁的に詳細な不用額の分析を行ったところでございます。今後とも、簡素で効率的な区政運営のため、不用額調査の分析等を踏まえ、的確な予算の積算と執行管理に努めてまいります。
○委員(杉本とよひろ君) 時間も大分なくなってきましたので、少し急いでやりますけれども、次に、3点目の質問ですけれども、予算編成方針における歳出予算に関しての質問です。
平成20年度の予算編成方針における歳出予算に関してですけれども、これまで区は、良好な財政状況を背景に、数々の新規事業を打ち出してきました。中には全国で初めてといった先進性あふれる事業もあったわけであります。
そこで、平成22年度の予算編成の基本方針の中に、「新規事業については、事業の必要性・効果性・効率性を見極め、中期的な事業目標を立てた上で予算化します」とありますけれども、この基本方針に関しましては、これまでの予算編成方針にはなかった新たな考え方だと思います。中期的な事業目標を立てた上で予算化するとは、具体的にはどのように、何のために行うのか。また、今後どのように活用するのかお伺いいたします。
○参事[財政課長事務取扱](益口清美君) 来年度の予算編成におきましては、より効率的・効果的な行政サービスを提供するために、いつまでに、何を、どこまで達成するかといった事業目標を明確にした上で予算化することといたしました。今後、この目標値を念頭に、計画的に事業執行していくことになります。新規事業は次年度以降、経常事業といたしまして、継続して実施されることになりますけれども、それらの中には、事業創設時における社会状況や区民ニーズが時代とともに変化し、その必要性や効果性が薄れていく事業も想定されます。時代の変化が著しい現在の状況にありまして、区民ニーズにより的確に対応していくために、必要性・効果性・効率性を見極め、事業目標を明確化した上で、事業を構築していくことで、簡素で効率的な区政運営を行ってまいりたいと考えてございます。
○委員(杉本とよひろ君) これは非常に大事な視点だと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、最後に、国の税制改正や制度改正による区への影響についての質問ですけれども、国は新政権発足によって各分野にわたるさまざまな政策を打ち出していますが、それに伴う制度改正や予算編成の成り行き、また、21年度補正予算の見直しが区としても当然注目されているところであります。今定例会代表質問におきまして、新政権における制度改正や予算編成の見直しに伴う区に与える影響について、区長は、「今後、歳入歳出の両面から区の予算編成や事務事業の執行に影響を及ぼすことが想定されます」と答弁されています。
そこで、現在、既に区の補正予算等において計上している事業で、制度変更に伴い影響が予測される事業について、主なものとしてどのようなものがあるのかお伺いいたします。
○参事[財政課長事務取扱](益口清美君) 当初予算においては緊急不況対策臨時職員雇用に伴う経費です。それから第2回定例会で既に議決いただいています補正予算においては、子育て応援特別手当、スクール・ニューディール構想による小・中学校へのデジタルテレビの導入、それから理科教材の充実、それから今回の定例会に提案させていただいています補正予算ですが、住宅・生活資金等支援対策経費などでございます。
○委員(杉本とよひろ君) 当然これらは必要な事業として、これから実現に向けてもらいたいわけですけれども、新政府は、2009年度補正予算の一部執行の停止が閣議によって決定されたと報道されております。補正予算の一部執行停止については、全国の知事会など地方六団体やそれぞれの自治体から、地方が取り組む景気、雇用対策の施策に支障が生じないよう、補正予算の実施を求める声が日に日に増しております。港区においても、経済危機対策として区の補正予算として計上した子育て特別応援手当や今定例会に補正予算として上げている住宅手当緊急特別措置事業もどうなるのか、極めて不透明なところでありますけれども、区としても現在取り組んでいる、また取り組もうとしている、準備している経済危機対策の事業の継続性に十分配慮していただき、地方財政に混乱を招くことのないよう、予算の執行を求める主張を行っていくことが必要と考えますが、この点いかがでしょうか。
○参事[財政課長事務取扱](益口清美君) 地方自治体に対する補助金等につきましては、区民生活や地方自治体に混乱を生じさせることなく、円滑に実施できるよう、国に対して必要な主張を行ってまいります。
○委員(杉本とよひろ君) ありがとうございました。以上で終わります。
○委員長(林田和雄君) 杉本委員の発言は終わりました。
これにて一般会計歳入の質疑は終了しました。
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○委員長(林田和雄君) これより一般会計歳出の審議に入ります。
初めに、歳出第1款議会費の審議に入ります。
歳出第1款議会費について、理事者の説明を求めます。
○会計管理者[
会計室長事務取扱](杉本昇三君) それでは、歳出第1款議会費について、ご説明いたします。
予算執行概要説明書の138ページをお開きください。議会費の支出済額は、6億6,910万5,607円で、予算現額に対する執行率は、96.9%でございます。
甚だ簡単ではございますが、以上で、歳出第1款議会費の説明を終わらせていただきます。
○委員長(林田和雄君) 説明は終わりました。
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○委員長(林田和雄君) これより歳出第1款議会費の質疑を行います。
初めに、杉浦委員。
○委員(杉浦のりお君) それでは、質問に入らせていただきます。
地方議会議員年金制度について、議長にお聞きいたします。
ことしの3月、総務省に地方議会議員年金制度検討会が発足いたしました。この地方議会議員年金制度は、財政状況が市町村合併などによる影響で著しく悪化し、存続が危ぶまれるほどになっております。検討事項の一つとして、地方議会議員年金制度を廃止した場合の問題点等についてが上げられております。我々の議員年金の掛金については、港区議会の標準報酬月額が61万円で、掛金率が16%ですから、月9万7,600円、年間で117万1,200円。これに加えて、区の負担金は掛金率は16.5%ですから、月10万650円、年間で120万7,800円となります。現在、港区議会議員は34名でありますから、1年間の合計で8,088万6,000円となります。また、ボーナス時の特別掛金を加えた総合計はおおよそ8,840万円程度になります。
我が会派のベテラン議員も30年以上の議員在籍で掛金は2,500万円以上とのことで、もちろん破綻すれば給付を受けられないどころか、支払った掛金も戻らないとのことで、本人いわく、「年金をもらえないのは仕方のないこと。我々議員が個人の年金の受給についてとやかく言うべきではない」とはいうものの、本音は、五、六期、20年、24年と議員を続けなくてはならないということもわからないわけではありません。
現行制度の法的根拠として、昭和37年に制定された地方公務員等共済組合法があります。同法は全国の自治体議員を対象としており、事実上の強制加入となっております。組合からの退会・脱退などを記載した条項もありません。ただし、総務大臣が許可した場合には、退会・脱退が可能とする見解もあります。現行法に従えば、破綻が予想されていても、共済組合掛金の支払いを停止することもできないのです。議員報酬は、言うまでもなく区民の皆様からいただいた税金の中から支払われているもので、多額の掛金が破綻になるべく制度のために使われてしまうのはもったいない気がしてなりません。
そこで、議長に質問ですが、この問題についての議長会での取り組み状況についてお伺いいたします。
○議長(島田幸雄君) 杉浦のりお委員の私に対するご質問にお答えします。
我々区議会議員が加入しております地方議会議員年金についてのお尋ねです。
近年、市町村合併の大規模かつ急速な進展に伴う会員数の予測を上回る減少、年金受給者の増加、議員定数・議員報酬の削減により、地方議会議員年金の財政は極めて厳しい状況にあります。市・
町村議会議員共済会の年金財政は、危機的状況に瀕しており、給付の原資である積立金は平成23年度には枯渇すると見込まれています。このような状況において、本年2月18日、特別区議会議長会では、地方議会議員年金制度の危機的財政状況の改善に関する緊急要望を取りまとめ、内閣総理大臣、そして総務、財務の両大臣あてに提出いたしました。
一方、国においては、委員のご指摘のとおり、総務省において、地方議会議員年金制度を将来にわたって安定した制度とするために講ずべき具体的施策について、幅広く論議するため、学識経験者、地方議会議員共済会代表で構成する検討会が設置されております。年内には検討会の報告書が取りまとめられると聞いております。
港区議会においては、年金制度の根幹を揺るがす深刻な状況にかんがみ、各会派の皆さんから提出されたご意見を本年7月、特別区議会議長会に提出いたしました。この件につきましては、特別区議会議長会としても重大な関心を持っており、私も構成員の一人として、皆さんの強い思いを厳粛に受けとめるとともに、時宜にかなった対応をしてまいりたいと考えております。よろしくお願いします。
○委員(杉浦のりお君) よろしくお願いします。終了いたします。
○委員長(林田和雄君) 杉浦委員の発言は終わりました。
これにて歳出第1款議会費の質疑は終了いたしました。
議事の運営上、暫時休憩いたします。
午後 2時38分 休憩
午後 3時00分 再開
○委員長(林田和雄君) 休憩前に引き続き、委員会を再開いたします。
これより歳出第2款総務費の審議に入ります。
歳出第2款総務費について、理事者の説明を求めます。
○会計管理者[
会計室長事務取扱](杉本昇三君) それでは、歳出第2款総務費についてご説明いたします。
予算執行概要説明書の140ページをお開きください。総務費の支出済額は、167億4,075万713円で、予算現額に対する執行率は、76.6%でございます。
次に、項別の支出について、ご説明いたします。
まず、項の1総務管理費につきましては、支出済額139億3,527万2,696円で、予算現額に対する執行率は、74.5%でございます。
次に、172ページ、項の2徴税費につきましては、支出済額8億7,888万3,031円で、予算現額に対する執行率は、82.0%でございます。
次に、174ページ、項の3戸籍住民基本台帳費につきましては、支出済額12億1,084万109円で、予算現額に対する執行率は、96.2%でございます。
次に、178ページ、項の4選挙費につきましては、支出済額1億6,118万8,360円で、予算現額に対する執行率は、80.7%でございます。
次に、182ページ、項の5統計調査費につきましては、支出済額5,980万5,440円で、予算現額に対する執行率は、77.8%でございます。
次に、184ページ、項の6区民施設費につきましては、支出済額4億1,992万3,453円で、予算現額に対する執行率は、93.6%でございます。
次に、186ページ、項の7監査委員費につきましては、支出済額7,483万7,624円で、予算現額に対する執行率は、93.5%でございます。
以上で、歳出第2款総務費の説明を終わらせていただきます。
○委員長(林田和雄君) 説明は終わりました。
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○委員長(林田和雄君) これより歳出第2款総務費の質疑を行います。
初めに、古川委員。
○委員(古川伸一君) 総務費の中では3点にわたり質問させていただきます。
最初に、公会計改革についてお伺いいたします。
私は、平成20年度予算特別委員会で公会計改革に関して、現在の地方自治の会計、いわゆる官庁会計が現金主義・単式簿記により行われており、資産や負債などのストック情報や正確なコスト情報が十分に把握できないことを指摘し、港区においても簡素で効率的な財政運営とともに、区政の一層の透明性を図るため、公会計改革に対して先駆的に取り組みを始めるべきと質問させていただきました。
先日の総務常任委員会において、港区の公会計改革について報告があったと伺いましたが、区が新たな会計制度の導入に向けて、本格的な検討を開始されたことは評価しております。区では、平成11年度決算より、企業会計の考え方を取り入れた財政レポートを毎年発表していますが、ことしの財政レポートから新地方公会計モデルによる貸借対照表、行政コスト計算書、資金収支計算書、純資産変動計算書といった財務書類の作成・公表がされています。この新地方公会計モデルによる財務書類の作成、公表のところが新たな公会計制度導入の特色になっていると思います。
そこで、お伺いいたしますが、区では、新たな公会計制度のモデルとして、国から提示された総務省方式改訂モデルと基準モデルから総務省方式改訂モデルを採用したということですが、その理由を教えていただきたいと思います。
また、都はいち早く独自の東京都方式で会計処理を実施していますが、区と東京都の関係、関連はどのようになるのでしょうか。お伺いいたします。
○会計管理者[
会計室長事務取扱](杉本昇三君) 総務省方式改訂モデルは、全国で8割を超える地方自治体が採用を表明しております。新たな公会計モデルの事実上の標準となっております。そのため、他自治体との比較が容易なモデルです。また、区が従来から作成してきた総務省方式と呼ばれるモデルとも乖離が少なく、経年比較も容易です。これらの理由により、最も行政経営や区民への説明責任の向上に活用できるモデルと評価いたしました。
国は、総務省方式改訂モデルもしくは基準モデルを用いて財務書類を作成することを地方自治体に求めております。東京都が国に先駆けて構築した方式は独自方式になり、特別区において同方式の採用を表明した区はありません。そのため、東京都方式を採用した場合、他自治体との比較が困難です。さらに、区が作成した財務書類を東京都に提出し、東京都が都全体をまとめることもございません。したがいまして、都道府県レベルの東京都方式を区市町村レベルの区が採用しないことの影響はございません。
○委員(古川伸一君) ありがとうございます。区と東京都の関係は余りないということです。
次に、今回の新地方公会計制度の導入・整備による効果について、簡単で結構ですので、お願いいたします。
○会計管理者[
会計室長事務取扱](杉本昇三君) 新地方公会計制度の財務書類は、区が保有する財産、将来世代の負担、行政サービス提供に係るコストといった総合的な会計情報を示すものとなります。こうした従来の官庁会計では把握できなかった情報を、行政経営や区民への説明責任の向上に活用し得ると考えております。また、導入・整備過程で行う資産評価等の作業により、資産・債務管理の徹底が図られるという効果も挙げられます。
○委員(古川伸一君) 多大な効果があるということでした。効果とともに、公会計改革を推進していくためには、いろいろな課題もあると思います。例えば、職員の方への周知や研修、資産評価、すなわち棚卸や債権管理の作業、区民によりわかりやすい説明などさまざまあると思いますが、このような課題に対して、どのように取り組んでいかれるのか。わかっている範囲で結構ですので、お願いいたします。
○会計管理者[
会計室長事務取扱](杉本昇三君) 職員への周知・研修につきましては、平成20年8月から公会計に精通した公認会計士を講師に招き、セミナーを実施しております。職層別に内容を変更する等工夫を凝らし、平成20年度は3回のセミナーを実施しております。今年度はさらに内容を充実させ、計6回のセミナーを開催してまいります。また、資産評価については、管理職及び公認会計士で構成する港区の会計制度改革に関する検討委員会に分科会を設置し、具体的な検討を進めております。今後、分科会での検討結果に基づき、各課に作業協力を依頼してまいります。その他の課題についても、港区の会計制度改革に関する検討委員会において検討してまいります。
○委員(古川伸一君) ありがとうございます。今後、職員の方への徹底だとか、またセミナー、説明会等も実施されていくと。このような経過があるそうですが、いずれにしても、これからが大変かと思いますが、今回の公会計改革のもと、財務書類を行政経営に生かし、区民への説明責任を的確に果たしていただきたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。
2点目は、高層住宅等に対する階段避難車の導入についてお伺いいたします。
平成21年度予算特別委員会で高層住宅等に対する地震対策として、階段避難車設置の推進について質問させていただきました。区は、「階段避難車はエレベーターが使用できないような災害時に、非常時に、歩行困難な方を上層階から階段を利用し、安全・迅速に避難させることができる器具です。昨年実施した港区高層住宅の防災対策に関する検討懇談会においても、階段避難車の有用性について意見が出されました。また、昨年秋に実施した地域防災訓練では、高輪会場と台場会場で、階段避難車の検証を兼ねて訓練を取り入れたところ、訓練参加者から有効であると好評を得ております」、「区では訓練用として階段避難車を複数台購入し、町会・自治会などの防災訓練の際にも活用しています。今後も階段避難車の有効性について積極的に普及・啓発を図っていくとともに、高層住宅の震災対策の中で設置が進むような方策について、検討してまいります」との答弁でした。
そこで、現在の進捗状況はどのようになっているのかお伺いいたします。また、下の階まで搬送したら、だれかが再び上層に運び上げないと次に使えないなど、運用方法の工夫などの課題もあるかと思います。しかし、特別区でも幾つかの区において、階段避難車設置助成や購入補助などをしている区がありますが、現時点における港区の考え方についてお伺いいたします。
○防災課長(遠井基樹君) 昨年度の総合防災訓練の地域訓練におきまして、階段避難車を展示いたしました。また、実際に乗って体験していただき、操作性などについての検証を行ったところ、非常に避難手段としては有効であるという声を多くお聞きいたしました。これを踏まえまして、今年度の防災訓練においても、訓練会場の状況を考慮いたしまして、有効性などについて、引き続き周知を図りたいと予定しております。
委員のご指摘のとおり、運用面での課題があることは私どもも承知しております。今後、課題について整理した上で、助成や補助の制度について検討したいと考えております。
○委員(古川伸一君) 今、担当課長の方からも課題があることは承知しているということでしたが、区長も答弁をされていますし、また、有効な避難手段であります階段避難車でございます。ぜひ、本格的導入に向けて積極的に検討されるよう要望して、最後の質問に移りたいと思います。
3点目は、災害時要援護者に対する通報サービスシステムについてお伺いいたします。
我が会派は、本年第1回定例会の代表質問で、「区はこれまで、平成20年3月に防災無線放送塔を101局から119局に増設し、あわせて防災行政無線放送をアナログ方式からデジタル方式に切り替るなどの改善を行っていることは認識しております。しかし、増設やデジタル化されても、中高層ビルが隣接しているため反射して聞こえづらい、集中豪雨や台風時の大雨により音声が遮断され聞き取りにくいなどの状況や問題は依然としてあります。杉並区は本年6月から、全国初となる高齢者や視覚障がい者等に大雨洪水警報や避難勧告の音声情報を電話で一斉に伝えるサービスを始めるとしております。港区においても災害から命を守るために、通報サービスシステムを構築すべき」と質問しました。区長は、「ご提案の、災害時要援護者へ警報や避難勧告を音声による電話で一斉に伝えるシステムは、検討すべき情報伝達方法の一つと考えております。したがいまして、今後、電話を利用した一斉通報サービスについて、通報対象数の拡大に伴う送信能力や、多数の電話回線確保の可能性等の観点から、他の情報伝達方法との比較も含め、調査、検討してまいります」との答弁でありました。
そこで、現在の状況についてお伺いしたいと思います。
○防災課長(遠井基樹君) 現在ですが、電話による通報サービスにつきましては、先行いたしました杉並区を実際に調査しまして、また、各種の通報システムを構築しています電話会社、それからケーブルテレビ、日本気象協会、こういったところがいろいろやっておりますけれども、各種のシステムの比較調査を実施いたしました。現在、区といたしましては、時間的におくれがないような同時通報が可能な緊急地震速報装置を活用した情報提供についての検討を行っております。
○委員(古川伸一君) なかなか難しいということでしたが、私も杉並区の方に聞きましたが、もう一段階なのかなと思っております。今回はみなとケーブルを用いた緊急地震速報の普及についてお伺いしたいと思います。
最近、地震の本震の揺れの波が到達する前に、前震波をつかまえて速報を出す緊急地震速報が注目を集めています。緊急地震速報にもいろいろな方法や手段があり、ラジオ、テレビやインターネット、さらに携帯電話各社も無料サービスを開始しています。ただ、実際に速報を聞く場面を考えますと、ラジオやテレビは電源を入れていないと当たり前ですが、聞いたり見たりすることはできません。インターネット利用の場合は、接続料金や通信料の負担が生じます。携帯電話の場合は無料ですが、自ら利用手続きをしないと使えません。こうした中、みなとケーブルを利用する方法は、区が件数拡大に力を注いでいることやケーブルテレビは見ていなくても、地震速報機の電源が入っていれば作動することなど、将来の発展性や災害時要援護者にとって大変有効な手段と考えますが、いかがでしょうか。
○防災課長(遠井基樹君) 緊急地震速報装置の整備は、大別して3種類のパターンがございます。まず、ケーブルテレビ回線を活用した方式、それから2つ目がインターネットパソコンを活用する方式、3つ目が携帯電話会社による情報提供がございます。
基本計画では、区民による緊急地震速報装置の整備支援を平成22年度から実施する予定としておりますけれども、各システムについて、費用面、それからシステムの将来拡張性などについて、現在、総合的な比較検討を行っております。このケーブルテレビを活用した方法ですが、緊急地震速報装置として一度整備いたしますと同じ装置を使いまして、今度は水位情報に加えて土砂災害、つまり、がけ崩れが起きそうだというような警戒情報についても情報提供が可能だということやピンポイントでの配信化もできるということから、将来の発展性を考えますと、非常に有効な手段であると考えております。
○委員(古川伸一君) ありがとうございました。ぜひ費用対効果を十分に見極めていただき、災害時の重要な人命救助となる手法を進めていただきたいことを要望して、質問を終わります。
○委員長(林田和雄君) 古川委員の発言は終わりました。
……………………………………………………………………………………………
○委員長(林田和雄君) 次に、なかまえ委員。
○委員(なかまえ由紀君) まず初めに、区の刊行物の管理等についてお伺いいたします。
区の情報発信のかなめであるのが刊行物であると思います。区の刊行物は非常にさまざまなものが毎年出されておりますが、発行番号のあるものとないものの2種類に分かれるということです。前回お伺いいたしましたら、発行番号をつける基準というのがありまして、1つ目は区が発行する印刷物であること、2つ目は区民等に公表することを主な目的として発行していること、3つ目が資料的価値を有することということで、この3つ目が、番号がついているものとついていないものの大きな違いかと思います。したがって、かみ砕いて言いますと、番号がついているものはマスタープランであったり、事業概要であったり、主に内部的な資料の色彩が強いもの、計画などということだと思います。一概にそうとも言えないのでわかりづらいのですが、発行に関して、無駄を省くとか、部数が何部ということを効率的に考えるとか、そういった視点は余り必要ないものと思われます。一方に、発行番号のついていないものとしては、広報的な要素が強くて、カラフルなものであったり、発行に際し経費もかかっている。そして、わかりやすく区民に事業の内容や区のお知らせを伝えるという側面が強いものであり、こちらは効果的・戦略的な発想が必要であると思います。現在の発行における企画であったり、効果の検証とか、管理ですが、発行番号のある・なしにかかわらず、主管課が管理しているということです。つまり、現状は、区で発行されている多くの印刷物に関し、一元化された一覧データというようなものはないわけです。
そこで、平成21年度予算特別委員会での質問に際しまして、区民向けの配布を目的として作成されたカレンダー、マップ、ガイドブック、パンフレット一覧というものを企画課に資料としてつくっていただきました。それを見ますと、19年度の作成分のものが102、20年度作成分のものが159ということで、これらは、麻布地区の地域情報紙(ザ・AZABU)とか、赤坂地区のMYタウン赤坂青山、高輪地区のあなたの街とか、そういったものは号数ごとに1カウントされている一方で、広報みなとは月3回発行ですが、月3回ですから1年で40回ぐらいは出ていると思うのですが、それをまとめて1と計算していたりするので、若干カウントの仕方というのはばらつきがあるわけですが、19年度分が102で、20年度分が159と非常に多岐にわたるということです。
それで、これだけ多くの印刷物が出されており、多くの経費がかかっていながら所管課に管理を任せているということで、私は半年前の予算特別委員会で、発行やその活用、管理にあたって、発行の必要性や部数、配布の方法、保管の年数とか、そういったことなどの一定のガイドラインを作成すべきであること、また、どれぐらい残部が出たのか、そういったことも含めてデータ化して、発行後に効果などを検証できるようなシステムとしてマニュアル化するべきではないかというお話をさせていただきました。これにより無駄が精査され、より効率的な印刷物の発行になると考えるからです。
それに対して、ご答弁では、区政情報課長が「区が発行している刊行物は、発行元の主管課において配布先等を十分に精査の上、必要な部数を作成し管理しています。こうした刊行物はその用途や目的がさまざまであることから、一元的に管理することは困難な側面がございます」ということでした。用途や目的がさまざまなので一元的に管理することが困難というご答弁でして、私は印刷物を物理的に一元管理することを言っているわけではないので、データベース化のことを言っているので、困難なはずはないと思うわけです。さらに、ご答弁の中で、「今後、刊行物の実態把握をする中で、一定の基準の設定が可能かどうかを含め、検討してまいります」というお言葉がございました。その後、どうなったのか。ガイドラインの策定やデータ化しての一元管理、事後検証などについては、私は必要だと思うのですが、いかがでしょうか。
○区政情報課長(佐藤博史君) 主管課が発行いたします刊行物について、区では、区民への情報提供サービスの充実を図るため、平成13年度から発行番号をつけ、刊行物管理表により刊行物規格や発行部数などを管理しております。刊行物の一元管理システムにつきましては、区民へのわかりやすさや効率的・効果的な刊行物発行の観点からも意義あるものと考えております。今後、刊行物の発注段階から印刷・配布に至るまで、一連の刊行物発行の基準の検討を進めてまいります。
○委員(なかまえ由紀君) ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
次に、現在、後ろの方に発行元の部署とかが出ていたりするわけですが、さらに、1部当たりの経費であったり、発行部数やこういった目的でこれをつくりましたというようなことを小さく囲みでわかりやすく後ろに明記してあったりすれば、さらに、区民にとっての配布効果もあるのではないかと考えます。無料でほとんどのものが配られておりますから、そのような記載があった方が受け取る側もありがたみを感じますし、また、貴重な税金で、1部幾らでつくられているのかということが実感できれば、より大切にするのではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○区政情報課長(佐藤博史君) 現在、刊行物は効率的・効果的に発行するため、発行元の主管課において配布先等を十分に精査の上、必要な部数を作成しています。ご指摘の点につきましては、区民へのわかりやすさの観点から、刊行物発行の基準の中で、あわせて検討してまいります。
○委員(なかまえ由紀君) よろしくお願いいたします。
次に、緊急時の情報提供のルールづくりであったり、情報戦略マニュアルというものについてお伺いしたいのですけれども、今回、新型インフルエンザが騒がれたときですが、ホームページでは随時、迅速にデータを更新して、いろいろな情報を提供していただいていたようですが、紙ベースの情報発信という面ではスムーズではなかった部分があるということは私も感じましたし、今回も代表質問や保健福祉常任委員会でも、今までもそういった意見がほかの委員の方からもありました。
そこで、今後、緊急時の情報発信というものは、どのように受け取る側のニーズに見合ったものにしていくのかということを、業務継続計画(BCP)も策定中ですけれども、どのように緊急時の情報提供のあり方を改善していくのかということを教えてください。
○区長室長(渡邊正信君) 緊急時におきます広報業務につきましては、震災やインフルエンザなどの発生の際に、区民にとってどの情報が必要であるのかという優先順位をつけまして、効果的・効率的に業務を継続できるという必要がございます。そういった観点で、現在その業務を整理しているところでございます。例えば、広報業務におきましては、ホームページの情報更新を震災やインフルエンザ関係の情報に特化するとか、あるいは広報紙につきましては、定期発行から、ページ数が少なくても随時に発行できるような、臨時号にシフトするというような対応を考えているところでございます。インフルエンザの流行で得た経験を踏まえまして、区民の皆さんが必要とする情報を迅速、的確に提供できるよう、体制の整備に努めてまいります。
○委員(なかまえ由紀君) 次に、港区における国際交流の推進についてお伺いいたします。
国際化推進担当という部署ができて2年目になるわけですが、私自身の日常生活の中、場面では、なかなか課ができたという効果を実感できていないのが現実のところです。
そこで、2年目を迎えて、今まで国際化推進プランの策定の土台づくりや、また、大使館等との交流が中心だったと思うのですが、今後、せっかく課をつくったわけですから、どういった手法で、実際港区に住む私たちが国際化の推進や国際交流を実感できるようなまちにしていくのかということを教えてください。
○国際化推進担当課長(解良武君) 昨年度は、国際化推進プラン策定の基礎調査としまして、外国人意識調査、外国人インタビュー調査、外国人区政モニター会議などを行いまして、外国人の行政ニーズの把握に努めてまいりました。それらを踏まえ今後は、基本計画に計上しておりますとおり、外国人とともに暮らし、支え合う環境の整備、多言語・多文化共生社会に対応した行政サービスを充実していく、国籍を超えた区民同士の交流の活発化を図るということを目指してまいります。
今おっしゃられた目に見える具体的な施策というものにつきましては、現在策定中の国際化推進プランの中に盛り込んでまいります。プランの策定は、国際化推進担当を中心として、全庁的な協力体制のもと、今まさに現在進行形で進められている最中でございます。学識経験者、大使館関係者、公募区民など、外国人4人を含めた11名の委員で構成する日米同時通訳方式の国際化推進プラン検討委員会をやっておりまして、外国人の生活実態に即した多くの貴重なご提案やご意見をちょうだいしているところです。
今後、区民の約1割を占める外国人が、地域の日本人とともに考え行動し、支え合いながら、安心して暮らしていけるような港区ならではのプランとしてまいります。プランそのものは本年度中に策定し、平成22年度からの5カ年計画といたします。さらに、言語でございますが、全国の自治体では例がないと思われますが、日本語、英語、中国語、ハングルの4カ国語で発表する予定になっております。
○委員(なかまえ由紀君) 期待して見守っていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
次に、区では、今まで国際交流を専門に所管する部署がなかったわけで、国際交流協会や港ユネスコ協会といったような団体に、区が多額の援助をする形で国際交流の一翼を担っていただいていた部分があるわけですが、外郭団体の改革という中で、国際交流協会は残りますけれども、位置づけも変わってくると思われますし、また、行政の中は行政の中で課が設置されたわけなので、今後、こういった民間というか、国際交流を掲げる外部の団体と区との役割分担や関係性、こういったものがどうなっていくのかということを教えてください。
○国際化推進担当課長(解良武君) 平成4年設立の港区国際交流協会は、平成21年3月をもって解散いたしました。4月からは法人格を有した、新たな一般財団法人港区国際交流協会が発足しています。新協会は友好交流の推進ということにとどまらずに、「港区内におけるあらゆる人々の国際的相互理解と友好活動を通じて、多文化共生社会の実現に貢献する」ということを理念としておりまして、協会がこれまで積み重ねてきた活動実績を踏まえながら、区から独立した組織として、さらに発展的に活動を継続していくこととしています。
今後、新協会は、日本人主体の交流から、外国人のための開かれた交流及び支援に努めること、それから営業力のある国際交流のコーディネーターとしての役割を担っていくことを目標としていますが、一方、区は、国際化推進プランをもとに、さらなる国際化と外国人への行政サービスの一層の充実を進めていくということになっております。そのために、協会が持っています実践的なノウハウを引き続き活用し、お互いに連携・協力を進めながら、国際化の推進に取り組んでいく所存でございます。
○委員(なかまえ由紀君) 最後に、地域防災力の向上についてお伺いいたします。
各地域防災協議会、区内に22あるわけですけれども、避難所運営マニュアルを作成することが急務であると思います。ひな形というものは、もう随分前にできておりまして、なかなか協議会に合わせた避難所運営マニュアルの作成が進んでいない、協議会でなかなか活動していないところもありますので、区で音頭を取って作成が進むように、また、それに沿った具体的な訓練ができるように支援していただきたいということをずっと言ってきておりますが、現状をお伺いいたします。
○防災課長(遠井基樹君) 現在でございますけれども、7つの協議会が8カ所の避難所につきまして、避難所運営マニュアルを策定、または、ほぼ完成している状況にございます。
○委員(なかまえ由紀君) 3分の1ということですので、ひな形は随分前からできていたと思うので、ぜひ防災課の皆さんも、総合支所の方も大変だと思いますけれども、協議会任せではなくて、協議会の方々にある程度ハッパをかけていただけるようにお願いいたします。
次に、帰宅支援マップについてですが、帰宅支援マップをいろいろなお祭りのときなどに、作成ができるようなブースがありまして、私もシミュレーションしてみたのですが、なかなか生かされていないという気がするのです。見て終わってしまう側面もあるのではないかと思いますが、区で帰宅支援マップの作成ソフトを取り入れて、今後それをきちんと活用できる形に持っていく必要があるのかと思いますが、帰宅支援マップの効果であったり、今後の活用について教えてください。
○防災課長(遠井基樹君) 一般的な見解でございますが、帰宅支援マップというのは、通常、徒歩で帰宅できる半径15キロから20キロ圏内の地図と帰宅に際しての心得、それから帰宅困難者にならないための事前の備えと、かばんにはこういうものを入れておきなさいなどのガイドも載っているというものでございます。それと、勤務先の住所と自宅の住所を入れることによりまして、パソコンソフトで最適な帰宅ルートが選択されまして、地図が印刷されるというような仕組みもございます。災害発生時にそれを携帯していただくことで、自宅までのルートを確認したり、途中コンビニがありますと、そこで支援が受けられるというような情報が事前にわかったりということで、あらかじめ配ることによりまして、訓練に、実際に歩いていただかないと意味がないところもございますけれども、活用ができます。
区といたしましては、帰宅支援マップには、事前対策と緊急対策の2つの役割、そういう効果があるのかと思っておりますが、現在、駅前の帰宅困難者対策も進めておりますので、総合的なものとしてこれは考えていきたいと今、検討を進めているところです。
○委員(なかまえ由紀君) ぜひ効果的に活用がされるように、よろしくお願いいたします。終わります。
○委員長(林田和雄君) なかまえ委員の発言は終わりました。
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○委員長(林田和雄君) 次に、ゆうき委員。
○委員(ゆうきくみこ君) 情報通信技術の発達に対応した区民サービスについて、一般質問での内容を引き続き質問させていただきます。
近年、情報通信技術(ICT)の飛躍的な発展により、コンピューター、携帯電話などの電子端末やインターネットは急激に一般普及するようになり、大きなデジタルネットワーク産業として発展を遂げています。総務省のことしの4月に発表したデータでは、2008年のインターネット人口普及は75.3%となりました。世代別の利用率を見ると、10代から40歳代においては90%以上にも及び、ネットが当たり前という環境で生まれ育った世代がどんどん増えていくように、この比率は毎年増え続けています。そして、今やICTは私たちの日常生活にとって必要不可欠なものとなっております。
港区でも、港区情報化計画が平成21年度から6年間を期間として、昨年度からは広範囲なシステムを対象とする港区次期行政情報システム整備が段階的に実施されております。港区のメインフレーム系システムで運用しているシステムのオープン化を図ることにより、システム間の連携を円滑に行う共通基盤を整備するなど、行政システムの仕組みが今までと大きく変わっていきます。
先日の一般質問で区長は、「各システムを有機的に連携させ、区民がさまざまな手続きを1カ所の窓口で迅速に受けられる、いわゆるワンストップサービスの実現を図るなど、さらなる区民サービスの向上に向け、次期行政情報システムの推進に取り組んでまいります」とお答えいただきました。この次期行政情報システムが具体的にどのように変化していって、そして、いつ、どのような区民サービスに影響してくるのでしょうか。お尋ねいたします。
○区政情報課長(佐藤博史君) 法改正や新しい制度の導入に対応するためには、システムに対する知識やノウハウに基づき、業務の実施手順を検討しなければなりません。新システムにおいては、標準的なパッケージシステムを活用することで、システムに関する職員の作業負担を軽減し、法改正等に短時間でより的確に対応できる体制を整えます。また、窓口において、区民が必要とする住民票や納税証明などの複数の証明書を速やかに発行できる総合証明発行機能など、複数の業務システムにまたがる情報を検索し、速やかな連携処理を可能とする総合窓口システムを構築いたします。こうした業務間の情報の活用や連携を可能とするシステム共通基盤を平成22年1月までに先行整備し、平成23年1月に税務、介護保険システム、平成23年8月に住記、国保・年金システムを順次稼動させることで、着実なシステム稼動による区民サービスの向上を目指します。
○委員(ゆうきくみこ君) ICTの発展、また充実とともに、ユーザーの利便性はとても向上します。特に支払いに関してはクレジットカードが使えたり、コンビニとかで支払えるようになったりとか、本当にいろいろ便利になってきているのですが、しかしながら、便利になるほどセキュリティ対策の重要性も増すかと思います。これもまた技術の競争で新しいソフトができれば、それを壊すウイルスやハッキングなどの危険性は常に絶えません。
情報セキュリティ対策について伺います。港区では、外部監査の導入を始めて2年目になりますが、監査の評価はいかがでしょうか。また、監査評価内容がきちんとその後に生かされておりますでしょうか。
○区政情報課長(佐藤博史君) 区では、平成15年に港区情報安全対策指針及び情報安全対策実施手順を定め、総合的なセキュリティ対策に取り組んでおり、毎年、情報セキュリティセミナーや職場研修を通じ、職員のセキュリティ意識の向上を図っております。
また、昨年度から外部機関による外部監査を実施し、主な10のシステムについて、基準等に準拠して適切に情報セキュリティ対策が実施されているか、独立かつ専門的な立場から点検・評価を受けました。情報セキュリティに関する規程・手順の整備や継続的な情報セキュリティ教育の実施、情報安全対策マネジメントの運営が評価され、監査結果として5段階で3という評価を得ました。他団体では、初回の評価平均が2であることから、おおむね良好な結果を得ることができました。このことは、区民への情報に対する安全性と安心感を与える意味で、評価されたものと考えております。今後も、さらにセキュリティのレベルを向上させ、区民に信頼される情報化の推進に取り組んでまいります。
○委員(ゆうきくみこ君) 利便性が向上されることとセキュリティというのは関係性があって、便利になればなるほどセキュリティ対策はとても重要になるのですが、例えば、民間企業とかでも、名簿の流出だったり、関係業者での名簿売買などという問題があったりするので、ぜひ今後、いろいろな関係業者が増えるにあたって、そこら辺のセキュリティ対策は気をつけるようにお願いいたします。
次に、全国瞬時警報システム(J−ALERT)についてお伺いします。
港区では、国が発信した緊急情報を受信し、防災行政無線を用いて区民にお知らせするシステムを平成21年4月1日から開始しました。全国瞬時警報システムとは、総務省消防庁が発信した緊急地震速報、津波警報などといった対処に時間の余裕のない緊急情報を区が受信し、それを防災行政無線の屋外スピーカーから放送し、緊急事態であることを区民に直接知らせるシステムです。
そこでお伺いします。よくテレビや新聞などで全国瞬時警報システムの誤作動が報じられますが、区のそれに対しての対応策はどのようになされておりますでしょうか。
○防災課長(遠井基樹君) 港区におきましては、ほかの自治体において、試験・訓練情報による誤作動が発生して、実際に放送が流れてしまったという事例を受けまして、試験・訓練放送で防災行政無線の屋外スピーカーから自動放送が行われないようにするための、国から配布された誤作動防止ソフトウェアをもう既にインストール済みでございます。港区としても、国に対しまして折に触れ、誤作動防止への取り組みを要望してまいりたいと思います。
○委員(ゆうきくみこ君) これもまた難しい問題で、誤作動が余りにも重なると、肝心なときに本当かどうか、どこまで信じていいのかという問題が起きると思うので、そこら辺はよろしくお願いします。
次に、港区職員子育て支援プログラムについて伺います。
平成15年に次世代育成支援対策推進法が成立し、平成17年から施行されました。港区では、「子育てするなら港区」をうたい、平成17年、港区職員子育て支援プログラムを策定いたしました。この計画は子育てに対する区の基本的方向性や男女平等参画社会実現の基本理念、公務員としての特性等を視野に入れ、日々職務に精勤する職員が、家庭では父親、母親として子育てを両立していくために職場でどのような支援ができるのかという視点でつくられました。
区民への男女平等参画社会や子育て対策に対応する上で、庁内の実績はとても重要だと考えます。子育て支援ハンドブックの作成、周知、研修や意識啓発などさまざまな試みをし、またアンケートをとって実情把握に努めています。平成21年度は進捗状況の検証と見直しの時期とされていますが、現在のプログラムの中では、新たに具体的な目標数値が設定されております。特に目を引くのは男性職員の育児休業・部分休業の取得促進や出産支援休暇と年次有給休暇をあわせた連続休暇の取得促進など、男性職員に対して積極的子育て参加の啓発です。
しかしながら、育児休業、部分休業の目標を年度取得率10%を挙げているにもかかわらず、実際の今までの実績は、今まで最も高い数値で平成18年度の4.8%、昨年度においては3.8%に下がっております。5日以上の連続休暇取得は、昨年度は4.8%と1けたでしたが、平成21年度の見直しまでの全体目標は、実際を大きく上回る50%以上とされています。アンケートによると、「育児休暇を取得する際に障害になるであろうと思われる内容」として、上位回答の3つは、「業務の遂行に支障が出ること」、「経済的に苦しくなること」、「男性が取得する風土がないこと」などが挙げられるように、いろいろクリアしなければならないハードルがたくさんあります。「今後、男性の育児休暇、部分休業の取得を促進するために取り組むことが必要と思われるもの」は、これもまたアンケートの回答ですが、上位3つで、「職場の意識改革」、「安定的な代替職員の確保」、「業務遂行体制の工夫・見直し」となっています。
そこで伺います。これを踏まえて、区は具体的な解決策ができているのでしょうか。きちんと目標達成できる対応はあるのでしょうか。お伺いします。
○人事課長(浦田幹男君) 区はこれまで、職員子育て支援プログラムに基づき、育児休業の取得促進を図るために、業務に支障が出ないよう安定的な代替職員の確保策として、育児休業代替任期付職員の採用などを行ってまいりました。しかしながら、男性職員の育児休業、部分休業の数値目標は、平成21年度までに年度の取得率10%以上としていますが、今、委員ご指摘のとおり、目標の取得率に達していないのが現状でございます。これには、男性職員の意識や経済的な問題などの課題があると考えています。
現在、平成22年度から平成26年度までを計画期間とする後期の職員子育て支援プログラムを策定中でございます。その中で男性職員の育児休業、部分休業の取得の促進がよりスムーズに進むよう、引き続き取り組んでまいります。
○委員(ゆうきくみこ君) このアンケートの私が読んだ上位3つの次に続くものが経済的な問題ということで、働けるのだったらなるべく多く働きたいというのは男性も女性も変わらないところだと思いますが、区で、いろいろな子育て支援だったり、共働きに対しての理解だったりとか、男女平等参画社会とかの働きかけをするにおいては、庁内での目標を10%、50%という設定をしているので、なるべく解決方法、文化的な習慣的なものなので、いろいろ世代によっても時間がかかるものだとは思いますけれども、とはいえ、目標を設定して、それに対して働きかけるというのはとても重要なことだと思うので、これから今後の流れを期待します。
以上です。ありがとうございました。
○委員長(林田和雄君) ゆうき委員の発言は終わりました。
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○委員長(林田和雄君) 次に、山本委員。
○委員(山本閉留巳君) それでは、総務費についてお尋ねさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
まず、質問1番、組織改革についてお尋ねします。今期定例会、議案第72号で港区総合支所及び部の設置等に関する条例の一部を改正する条例が提出され、過日総務常任委員会で可決されたところであります。ところで、同委員会で本議案の説明をされていたのが人事課長でいらしたのですけれども、これは港区組織規則第17条に、人事課に関する仕事が列挙されていまして、行政組織に関すること、ということがございます。これに基づくものではないのかなと思うのですが、今回の条例改正によって、行政組織に関する事項が企画経営部の方に移動し、規則の方も今後また改正されるのではないかと認識しております。
そこで質問でございます。そもそも行政組織に関することについて、港区の場合、企画課ではなくて人事課が所管するようになった経緯及びその理由についてお尋ねさせていただきます。
○人事課長(浦田幹男君) 区は、平成10年4月の組織機構改革において、企画部と総務部を統合し、政策経営部を設置した際、行政組織に関する事項の所管を企画課から人事課に移管しました。これは、かつてない厳しい財政状況に直面し、区政全般にわたる事業、経費、組織、人員の肥大化を抑制する視点から組織の見直しを行う中で、組織と人員の調整機能を集中化することにより、より簡素で効率的な執行体制の構築を図ったものでございます。
○委員(山本閉留巳君) よくわかりました。ありがとうございます。
続きまして、質問2番、区の危機管理・防災体制の強化についてお尋ねさせていただきます。
まず、一つ目ですが、項の1総務管理費の中の目の1一般管理費の中で、危機管理対策、支出済額が26万682円、そして不用額が56万6,318円。そしてまた、国民保護協議会運営といたしまして、支出済額が3万6,171円、不用額134万9,829円となっております。
そこで質問です。これらの事業につきまして、支出済額より不用額の方が上回っておりますが、その理由についてお尋ねいたします。
○防災課長(遠井基樹君) まず、危機管理対策でございます。主に危機管理講習会に関する経費を予算要求しております。不用額が生じた理由でございます。危機管理講習会の未実施による執行残が生じてしまいました。それから国民保護協議会運営についてです。この経費のほとんどが国民保護協議会を開催するための報酬や、費用弁償、これは旅費でございますが、それから消耗品の経費を計上しておりました。不用額が生じた理由ですが、平成20年度中に国民保護協議会を開催するような事態が発生しなかったためであります。
○委員(山本閉留巳君) 続きまして、同じく項の1総務管理費の中に、シティハイツ竹芝エレベーター事故調査、こちらの方が支出済額が222万3,900円、不用額が797万8,100円となっております。
そこで質問でございます。本事業においても支出済額よりも不用額の方が上回っているのですけれども、その理由についてお尋ねいたします。
○安全対策担当課長(新井樹夫君) シティハイツ竹芝エレベーターの事故調査経費でございますけれども、当初は事故機の部品が返還された際の調査及びシンドラー社の制御プログラム解析の委託を想定してございました。しかしながら、事故機の部品は、捜査の長期化により返還されず、また、制御プログラムについてもシンドラー社からの提供がなく、具体的な調査の開始には至りませんでした。こうしたことから不用額が生じたものでございます。
なお、支出済額222万円余につきましては、平成19年度に実施した追加実験の分析を委託した経費等でございます。
○委員(山本閉留巳君) ありがとうございました。
続きまして、質問3番、麻布地区における生活安全関連事業についてお尋ねします。
項の1総務管理費、目の1一般管理費の中で、麻布地区生活安全活動推進事業、支出済額が24万2,000円、不用額は4万3,000万円。また、同じく麻布地区生活安全・環境美化活動推進事業、こちらは支出済額の方が67万3,367円、不用額が49万6,633円となっております。
そこで質問です。これら事業の実績・評価及び今後の検討課題についてお尋ねいたします。
○
麻布地区総合支所協働推進課長(西田京子君) 麻布地区における生活安全関連の事業についてです。生活安全活動推進事業は、地域の団体が自主的に行う生活安全や犯罪防止に向けた活動に対して補助を行うもので、麻布防犯協会ほか1団体に補助を行いました。また、生活安全・環境美化活動推進事業は、麻布地区の生活安全と環境を守る協議会の運営に関する経費です。麻布地区の生活安全と環境を守る協議会では、これまでの協議会全体の活動に加え、落書き対策、公園・道路の安全対策、自転車・自動二輪車対策の3分科会を設置いたしました。これまでの主な実績ですが、落書き対策分科会では、六本木三丁目周辺や西麻布交差点周辺での落書き消去活動を実施し、公園・道路の安全対策分科会では、飯倉公園や六本木西公園などについて、安全面からの点検活動を実施いたしました。また、自転車・自動二輪車対策分科会では、赤羽橋周辺で自転車利用者のマナーアップのための啓発キャンペーンを実施しております。
次に、これまでの取り組みに対する評価です。いずれの事業につきましても、地域の自主的な活動を支援するという意味で有益な事業であると認識しております。特に協議会活動では、分科会という小回りがきく組織の利点を生かし、今まで以上に地域の課題に、よりきめ細かく対応できるようになったことが挙げられます。
最後に、今後の課題です。麻布地区の生活安全と環境を守る協議会をはじめ、地域の団体が行う自主的な活動は、地域の安全・安心の維持という面で大きな役割を果たしています。一方で、地域内には依然として放置自転車や落書きなど、安全・安心の観点から解決すべき課題があります。また、特に六本木周辺ではピンクチラシやごみの不法投棄など、地道な地元の取り組みだけでは解決できない課題もあります。今後は、警察や東京都などにさらなる協力を要請し、関係行政機関との連携強化が必要であると考えております。
○委員(山本閉留巳君) こういう区の事業については、住民の皆さんも率先して参加している状況もありますし、逆にまた、地域の行事に区の職員が、例えばお祭りなどにも積極的に参加するなど、協働が非常にいい感じで進んでいると思いますので、今後も期待してまいりたいと思います。
続きまして、質問4番、北朝鮮人権侵害問題啓発週間への対応についてお尋ねいたします。
拉致問題その他北朝鮮当局による人権侵害問題への対処に関する法律、いわゆる北朝鮮人権法に基づき、国及び地方公共団体の責務が定められ、毎年12月10日から16日までを北朝鮮人権侵害問題啓発週間とされております。
そこで質問です。平成20年度のこの問題に対する取り組み実績と今年度、間もなく12月が迫っておりますが、事業の予定についてお尋ねいたします。
○人権・男女平等参画担当課長(若井世台子君) 平成20年度は、12月10日から16日の北朝鮮人権侵害問題啓発週間に合わせて、法務省発行の北朝鮮人権侵害問題啓発週間啓発ポスターを各総合支所及び庁舎内で掲示いたしました。また、広報みなと12月1日号の人権週間特集の中で、拉致問題についても啓発記事を掲載いたしました。そのほか、12月4日から10日の人権週間の際、人権擁護委員による街頭啓発も行っております。なお、人権尊重・啓発の決算の支出につきましては、人権週間記念講演と映画のつどいの映画上映などの委託料が主なものでございます。今年度につきましても、昨年度の取り組みを継続して行うとともに、機会をとらえ、北朝鮮人権侵害問題を含む人権啓発に取り組んでまいります。
○委員(山本閉留巳君) ありがとうございます。北朝鮮による拉致の疑いがある人々のことを特定失踪者というふうに呼ばれておりますが、港区の女子職員の方もお一人おりますので、引き続き区としても、この問題に対して光を当てていく事業を継続していただきたいと思います。
以上で、総務費についての質問はすべて終わりますが、先ほどの審査意見書の中にも「執行率の低下、不用額の増加には、様々な要因があると思われるが、執行率の低い事業については精査が必要である。今後も予算の積算、予算執行管理の適正化に努められたい」という文言がございましたけれども、引き続きこの部分を常に念頭に入れながら、私も議員の一人として、この決算に臨んでまいりたいと思いますので、理事者の皆さん、よろしくお願いいたします。終わります。
○委員長(林田和雄君) 山本委員の発言は終わりました。
……………………………………………………………………………………………
○委員長(林田和雄君) 次に、星野委員。
○委員(星野喬君) 2点質問いたします。今月の24日にオバマ米大統領が議長となって、国連安全保障理事会、核軍縮・不拡散をテーマにした初の首脳級特別会合が開催されました。そこでは、核兵器のない世界を目指して、条件づくりに安保理として取り組む決意を前文に明記した米国提案の決議が、核保有5大国を含む全会一致で採択されています。オバマ米大統領が核兵器を使用した唯一の国としての道義的責任を自ら指摘して、「核兵器のない世界を米国の国家目標とする」と初めて表明してからわずか半年足らず、核兵器のない世界を目指す決議が初めて採択されたのであります。鳩山由紀夫首相も「唯一の被爆国として果たすべき道義的責任」として、日本が「核廃絶の先頭に立つ」と表明いたしました。まさに画期的な出来事だと言えます。
この背景には、安保理決議が世界の核軍縮運動の役割を高く評価したように、被爆国日本の原水爆禁止運動だとか、港区も参加している全国の非核宣言自治体運動を含めて、まさに世界的規模での運動があったからこそだと思います。この点について、どう認識しているのかお伺いいたします。
また、核のない世界が現実の課題として取り上げられた今日、核廃絶と我が国が非核三原則、「つくらず、持たず、持ち込ませず」、これを堅持することを区民の意思として求めている平和都市宣言の実現へ、さらに区民とともに力を注ぐことが求められておりますけれども、区の決意はいかがでしょうか。
○人権・男女平等参画担当課長(若井世台子君) 区は、昭和60年に港区平和都市宣言を行い、恒久平和の実現と核兵器の廃絶を広く粘り強く訴えてまいりました。この間、日本をはじめ、各国における住民の草の根の活動、自治体の粘り強い取り組みが行われてまいりました。さらに、本年4月の米国オバマ大統領の演説や6月の国会における決議など、着実に核廃絶に向けた機運が高まっていると考えております。
核廃絶に向けた今後の対応でございます。区は、港区平和都市宣言に示す核兵器の廃絶と世界の恒久平和を目指し、各国の核実験に対する抗議をはじめ、平和展の実施など、さまざまな平和事業を行ってまいりました。今後とも、港区平和都市宣言の理念に基づき、核兵器の廃絶と世界の恒久平和に向けて力を注いでまいります。
○委員(星野喬君) 次に、関連して、50年間にわたって、まさに国民と世界を欺いて、歴代内閣も被爆国日本の国是と認めてきた非核三原則を骨抜きにして、日本への核持ち込みを続けてきた問題についての質問です。
今度の総選挙で争点ともなったいわゆる核密約問題、我が党は長期にわたってこの問題を国会内外で究明して、その廃棄を求めてまいりました。これまでの政権は、米政府が密約文書を公開した後でも、存在はしていないなどと強弁し、理不尽な態度をとり続けてきました。総選挙の中での6党党首討論で、鳩山代表は我が党の志位委員長の質問に対して、「政権をとって、この問題をきちんと調査する。その結果を国民に公表する」、こう言明しておりました。新しい政権ができて、我が党は独自に入手していた密約文書を民主党との党首会談の場で、鳩山・岡田両氏に手渡しいたしました。岡田外務大臣は就任した日に、「かなりの確度で密約が存在していると考えている」、そう言って密約調査を外務次官に命令して、既に調査が始められております。この密約の存在は、核廃絶と非核三原則の堅持を求める区民の願いとは全く相入れないものと言えます。平和都市宣言をしている港区の区民を代表して、区は、今こそ、この核密約の真相を徹底調査して明らかにするよう、国に強く求めていくべきであります。こうした声と運動が真相の究明に大きな力を与えていくのではないでしょうか。答弁を求めます。
○人権・男女平等参画担当課長(若井世台子君) 港区平和都市宣言では、非核三原則の堅持を求めております。核密約問題は報道で承知しておりますが、現時点では国の動向を注視してまいりたいと考えております。
○委員(星野喬君) 新聞報道で知っていますという程度では、本当に困るのですよ。この問題は、担当自らがきちっと位置づけて、自らが非核三原則を国に求めている、そういう宣言をしている区ですから、これは今までの核の問題だとか、そういった問題でもありません。アメリカの軍に詳しい専門家の話によると、アメリカ海軍というのは、ソ連崩壊後、一般的には軍艦に核兵器を積むことはやめたと言われておりますけれども、その中でも核兵器積載の態勢を維持し続けている幾つかの艦種があると。これは常識だと言われています。その一つが攻撃型の原子力潜水艦であります。この原子力潜水艦は、日本に2008年度に61回も来ているわけです。ですから、核を積載した軍艦が、実際に今も日本に核を持ち込んでいるということは憶測できる問題で、それは事実だと指摘している人もいます。しかも、この密約については、アメリカの関係者も、そして直接かかわった日本の政府高官も、それは存在していたということをはっきりと明言している事実もあります。
ですから、非核三原則の堅持を求めている港区でこそ、これに強い関心を持って、必ず真相を明らかにしてほしい。そういう気持ちを込めて国に迫っていくと。これが今の国の考え方を後押ししていくということにもなるわけですから、ぜひ、見守っていくなんて、そんな心細いことを言わないで、強くそういうことを求めていっていただきたいと思います。いかがでしょう。
○人権・男女平等参画担当課長(若井世台子君) 担当課長といたしまして、新聞報道を眺めているといったようなものではなく、自らの問題としてとらえて、しっかりと情報をキャッチし、しかるべく対応ができるように、国の動向をしっかりと、自らの問題としてとらえつつ考えてまいりたいと思っております。
○委員(星野喬君) 最後、答弁を直したみたいだから、終わります。
○委員長(林田和雄君) 星野委員の発言は終わりました。
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○委員長(林田和雄君) 次に、杉本委員。
○委員(杉本とよひろ君) 総務費では、高層住宅の震災対策と
新型インフルエンザ対策の2点についてお伺いいたします。
初めに、高層住宅の震災対策についてですが、高層住宅について、震災等の災害が発生した場合、ライフラインやエレベーターの停止など、高層住宅特有のさまざまな問題が懸念されているところであります。そこで、こうした高層住宅特有の課題について、区では、初めて高層住宅における総合的な震災対策の方向を示唆する基本方針が策定されました。この基本方針の策定に当たっては、昨年の11月ごろからマンション関係者による検討懇談会を3回開催したり、20年度に策定された基本計画を踏まえて、本年5月には区民の皆様より意見を募るなど、高層住宅の対策が推進されているわけであります。
そこで、現在、区内の高層住宅における震災対策についての実態調査を進めているということでありますが、調査対象とした住宅の規模とか調査内容について、また、その結果についていつごろまとまるのか、その点を教えていただきたいと思います。
○防災課長(遠井基樹君) 調査対象は、区内にあります6階建て以上、かつ住宅の用途に供する部分が50戸以上の共同住宅としておりますが、実際には
コンビニエンスストアが1階に入っていたりということもございますので、低層階が店舗になっているような複合の建物も含めて調査対象としております。調査の内容ですが、居住者等の防災意識、それから備蓄、特に物資ですとか、食料がどうなっているのか、それから防災計画の策定の状況、自主防災組織があるのかどうか、そういった防災対策の実態把握というものに重点を置いて調査しております。結果については、10月下旬にまとまる予定でございまして、その後、議会をはじめ、区民の皆様にも公表してまいります。
○委員(杉本とよひろ君) この実態調査をもとに、さきに策定された基本方針をこれから具体化していくことが当然必要となってくるわけですけれども、そこで、高層住宅における震災対策については、今後、具体的な対策を検討すると聞いているのですけれども、今後の予定としてどうなっているのか。また、どのような内容を検討していくのか。その点、教えてもらいたいと思います。
○防災課長(遠井基樹君) まず、有識者や東京都や国などの関係機関、高層住宅に実際お住まいになっている区民の方の意見、こういったものを十分聞いた上で、年度内に基本方針の内容を具体化するために幅広い検討をしたいと思っております。検討の項目ですが、高層住宅の居住者の中から防災リーダーを育成する有効な手段がないのか、それから地域防災協議会や町場の特に町会の皆さん、そういった方との人的な連携強化の方法はどういうものがあるのか、それから高層住宅における防災備蓄倉庫を設置するにはどうしたらいいか、また、エレベーター対策、こういった有効な手段についての検討、それから税制面や容積算定上の支援策などについて、関係機関も含めて検討していく予定でございます。
○委員(杉本とよひろ君) 高層住宅の場合、火災などの心配がない場合については、避難場所への避難ではなく、自宅で生活できるよう自宅ろう城対策を勧めるという考え方があります。自助として、飲料水、食料、生活物資を各自が貯蔵するよう求めているわけでありますけれども、そこで問題なのは、それを備蓄するスペース、つまり、備蓄倉庫の確保であります。そこで、我が会派の代表質問でも取り上げましたけれども、高層住宅における備蓄倉庫の確保策として、倉庫のスペースが住宅価格に転嫁しないよう占有部分から外し、共有部分とみなすことはできないかという提案をしてまいりました。区長は、「高層住宅内の備蓄倉庫を共有部分としてみなし、建築基準法上の容積率を緩和することなどにについては、検討し、国等に対して、必要な要請をしていく」と述べられているわけですけれども、そこで、高層住宅の一定の階ごとに備蓄倉庫を整備する場合、既存住宅の場合は固定資産税が減免されるとか、新築の場合は住居占有面積の算定対象外となって分譲価格や賃貸価格にはね返らないなど、設置者にとって何らかのメリットがないと対策が促進しないのではないかと考えるところですが、区は、今後こうした点をどのように進めていく考えでしょうか。ご答弁願います。
○防災課長(遠井基樹君) ただいまご指摘の防災備蓄倉庫を設けるなど高層住宅の震災対策を進めた場合の固定資産税の減免措置や容積算定外とする緩和措置については、やはり港区だけではなかなか進みません。そこで、東京都や国などの関係機関に対しての協議を進めてまいりたいと思います。特に高層住宅を多く抱えております他区と連携して、東京都や国と改めて調整を図っていく予定でおります。
○委員(杉本とよひろ君) その点はしっかりと連携をとりながら、前向きに今後進めていただきたいと思います。
続いて、19年度決算特別委員会で提案しましたが、高層住宅の震災対策を啓発するDVDとパンフレットの作成についてお伺いしますけれども、DVDまたはパンフレットについては、早速447万円の予算を計上していただきましたが、具体的にどのような内容のものを作成するのか。また、今年度中に作成すると伺っていますけれども、現在の進捗状況を教えていただきたいと思います。
○防災課長(遠井基樹君) 現在の状況でございます。地震が発生しますと、電気、ガス、水道、エレベーターなどのライフラインがとまってしまいます。高層住宅の住民同士がどのような行動をとったらいいのか。また、高層住宅内でどうやって防災組織をつくったらいいのか、日ごろから個人をはじめ訓練が大切だということ、さらには、地元にある地域防災組織などとの連携や協働が不可欠であるということなどをぜひ盛り込みたいと思っています。事例を具体的に入れまして、視覚に訴えるような内容にしたいと考えております。
なお、今、契約に向けて、その準備を進めているところです。
○委員(杉本とよひろ君) そこで、さらに現在検討中の新たな支援策や規制なども盛り込んだ方がいいと考えますけれども、その点いかがでしょうか。
○防災課長(遠井基樹君) 貴重なご意見をありがとうございます。支援策については、現在具体化に向けて検討しておりますので、具体化した時点で支援策についても盛り込むことにしたいと思っております。
○委員(杉本とよひろ君) もう1点は、配布方法についてでありますけれども、具体的にはどのように考えているのかお示しください。
○防災課長(遠井基樹君) 先ほどご答弁申し上げました高層住宅の実態調査結果を踏まえ、防災組織が結成されていないような高層住宅を中心に配布する予定ではございますが、各総合支所とも連携して、地域防災協議会や町会などの関係機関にも広く配布したいと考えております。さらに、今後、新築される予定の事業者にも事前に配布いたしまして、あらかじめ震災対策の重要性について認識してもらうような配布の仕方を考えております。
○委員(杉本とよひろ君) このDVD映像は、ほかに区のホームページ等にも掲載し普及啓発を行っていくことが防災・生活安全支援部の事業概要にも載っておりますけれども、できるだけ多くの区民の方に啓発していくことが重要と考えます。
そこで、新たに提案させていただきますけれども、例えば、みなとケーブルテレビでも放映することを検討していくことも大事だと思いますけれども、その点はどのように考えていますでしょうか。
○防災課長(遠井基樹君) 貴重な税金を投じてつくる資料でございます。広く区民の方に周知することが大切と考えております。今、ご提案いただきましたみなとケーブルテレビでの放映、さらにDVDを総合支所はじめ区立図書館にも配布して、貸し出したり、広く区民の皆さんに見てもらえるような工夫を講じてまいります。
○委員(杉本とよひろ君) よろしくお願いいたします。
続きまして、2点目の
新型インフルエンザ対策についてお伺いします。
新型インフルエンザ対策については、一般的には保健所がその対応をする部署となっていますが、区民全体の安全確保と全庁的な方針や連携、連絡体制の確立、さらに、学校施設や福祉施設をはじめとしたさまざまな区有施設全般にかかわることなので、危機管理対策本部の役割という観点から総務費で質問させていただきます。
新型インフルエンザが全国的な感染拡大が続いておりますけれども、9月24日現在で、国内で新型インフルエンザの感染で亡くなられた方は、疑い例を含め18名に上っていると聞いております。港区内においても区立小学校、幼稚園、保育園では9月1日から25日まで458人の感染、13校1園における学級閉鎖等の措置がとられているわけでありますが、さらにこれからの時期が、流行の大きなピークを迎えるとされております。港区もこうした事態に備えるため、本年5月1日に港区危機管理対策本部会議が設置され、東京都や関係機関、区内の各部署と連携をとりながら、新型インフルエンザの感染拡大の抑制に努めてきたことは評価されるところであります。
そこで、初めに確認いたしますけれども、保健所の役割と区の危機管理対策本部会議との関係はどのようになっているのかお答え願いたいと思います。
○防災課長(遠井基樹君) まず、保健所は、区における感染拡大防止の第一線窓口でございます。相談受付やうがい、手洗い、咳エチケットの普及啓発などを行っております。また、区内医療機関との連携調整、ワクチンの接種体制の整備、さらには感染者数の把握や国、あるいは大学の専門機関などからの疫学的な最新情報の収集などを行っております。これに対して、危機管理対策本部会議ですが、区長を本部長とし、副区長、教育長をはじめ、各部長級職員を構成員としております。区として統一的、総合的な見地から区としての対応方針を定め、庁内の情報共有化を促進するという役割を担っております。みなと保健所長も本部会議委員でありまして、疫学的見地からの最新情報の提供や専門的な助言など、この
新型インフルエンザ対策における本部会議の中心的な役割を果たしております。
○委員(杉本とよひろ君) 例えば、学校などの施設における消毒剤やマスクの補充についてですが、これまでは学校に来校する方に対して、学校の判断で消毒剤を設置していると伺っています。一部の学校では予算がなく、補充が厳しいとの声を聞いております。このような緊急事態において、特に多くの児童・生徒を預かる施設においては、お金があるとかないとかではなく、お金をかけてでも補充していく必要があると思います。学校独自の判断やすべて学校任せではなく、区として消毒剤やマスクを購入、配布する体制を確立していくことが重要と考えますが、その点いかがでしょうか。
○防災課長(遠井基樹君) マスクでありますとか、手指の消毒液について、窓口や保育園をはじめとする各施設分を取りまとめて、防災課が全庁分を一括購入しております。現在、追加の購入なども進めておりまして、10月末には追加分の納入が予定されているところでございます。
○委員(杉本とよひろ君) これは実際に最近あった事例を今紹介したのですけれども、各学校での状況等を把握し、今後、こうしたマスクや消毒剤が品薄になることが予測されております。そのようなことを見据えながら、今後の配備体制や補充計画を立てることが当然必要と考えますが、その点、どのように考えているのでしょうか。
○防災課長(遠井基樹君) これからの季節でございますが、季節性のインフルエンザの本格的な流行時期を迎えます。また、ワクチンの接種を含む新型インフルエンザに関する最新情勢を踏まえ、感染拡大防止の観点から、各学校等へのマスクや消毒液の配備について、危機管理対策本部会議で決定してまいりたいと考えております。
○委員(杉本とよひろ君) その点、よろしくお願いいたします。また、高齢者や障がい者等の福祉施設、区役所、総合支所をはじめとした複合施設について、マスクや消毒剤の設置計画や補充計画についてはどのように考えておりますでしょうか。
○防災課長(遠井基樹君) 福祉施設等の利用の中心であります高齢者の方々というのは、新型インフルエンザに感染した場合には、重篤化しやすいと言われている点にも注視しております。今後の新型インフルエンザの感染拡大の状況、それから施設ごとの有効な感染拡大防止策、こういったものを一緒に危機管理対策本部で検討の上、対策を講じてまいります。
○委員(杉本とよひろ君) これから感染拡大が懸念される中、新型インフルエンザによる健康被害を最小限に防ぐため、マスクや消毒剤だけではなく、学校や福祉施設をはじめとするさまざまな区有施設との連携や協力体制、また、指定管理施設における事業者との緊密な連携や対策を講じることが重要と考えますが、全庁的な組織としてどのように取り組んでいくお考えなのでしょうか。最後にお伺いいたします。
○防災課長(遠井基樹君) 危機管理対策本部会議の下に港区危機管理対策会議、これは副区長を会長とする会議でございますけれども、こういう会議を随時、東京都や国などからの
新型インフルエンザ対策に関する情報収集があり次第開いて、感染拡大防止策の周知を講じ、必要に応じて危機管理対策本部会議を開催し、対応策の検討、あるいは全庁的、横断的に緊密な情報の共有、連携を図って万全を期してまいりたいと思っております。
○委員(杉本とよひろ君) 区民の安全・安心を確保するためにも、関係所管としっかりと連携しながら、危機管理の役目は非常に重要と考えますので、これからの取り組みをしっかりとお願いして、質問を終わります。
○委員長(林田和雄君) 杉本委員の発言は終わりました。
この際、お諮りいたします。議事の運営上、時間をあらかじめ延長いたしたいと思いますが、ご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○委員長(林田和雄君) ご異議なきものと認め、時間は延長されました。
議事の運営上、暫時休憩いたします。
午後 4時30分 休憩
午後 4時50分 再開
○委員長(林田和雄君) 休憩前に引き続き、委員会を再開いたします。
歳出第2款総務費の質疑を続行いたします。
初めに、小斉委員。
○委員(小斉太郎君) 私は、大体時間が押してしまって、時間がなくなってしまうタイプでありますので、早速質問に入りたいと思います。用意している質問をできるだけ進めていきたいと思っております。
まず、庁内の退職者の再就職についてお伺いしたいと思います。
今回、管理職の方の再就職ということを取り上げたいと思います。政権交代が行われて、政権交代前にも、前の与党だった自民党さんも一部でかなりいろいろ取り組まれていましたけれども、いわゆる天下り問題です。これは国政の重要なテーマの一つになっているということであります。官僚の天下り、あるいは「わたり」というものと地方公務員の退職後の再就職について、地方自治体の関係者は、いわゆる国の官僚の天下りとは違うと説明されることが多いのですが、私は、構造は同様だと思っております。
そういう視点で質問したいと思いますが、まず、港区の外郭団体等への再就職、これは会派で資料要求させていただきましたら、外郭団体等への再就職先しか把握していないということで、その一覧表しか出てきませんでしたので、外郭団体等への再就職とそれ以外のものと分けて質問したいと思いますが、まず、外郭団体等へ再就職についてですけれども、始まった経緯と歴史を伺いたい。
○人事課長(浦田幹男君) 再就職の始まりとしては、社会福祉法人港区社会福祉協議会が昭和39年2月に法人化されました。この際、事務局長として区の退職者が再就職してございます。
○委員(小斉太郎君) 随分長い歴史があるということがわかります。今では複数の外郭団体等に再就職されているということですが、再就職に至る事務的な流れ、これはどのようになっているのか。今おっしゃられたように昭和39年から続いていますので、システム化されているのではないかと想定するのですが、これはいかがでしょうか。
○人事課長(浦田幹男君) 区では、区関係団体等から区に対して要請があった場合に、職員を紹介しているということでございます。したがいまして、システム化しているという状況にはないと把握しております。
○委員(小斉太郎君) 要請があった場合紹介しているという話があったわけですけれども、その実態を説明できるのかということですよね。依頼・要請を受けたという明確な書面みたいなものがあって、それを公表することはできるのかということを伺いたい。
○人事課長(浦田幹男君) 区の関係団体等からの要請は、これまで口頭で行われてきてございます。したがいまして、書面等はございません。
○委員(小斉太郎君) 口頭で要請ということだけ見ても、書面がないということですから、しかも、昭和39年から行き先を増やしながら毎年にわたって続けてきたわけで、これは慣例化されていると。システム化されているわけではなくて、その都度の要請に基づいてということは、なかなか区民の理解を得られるものではないのではないか。少なくとも私はシステム化されているというように言わざるを得ないと思います。これは聞いても同じ答えになるかもしれませんけれども、退職者が再就職することが明文化されておらず、言ってみれば不文律になっていて、ずっと慣例的に続いているということで、当初のことはわかりませんけれども、現状を見ると、あっせんが前提だと指摘せざるを得ないけれども、それはいかがでしょうか。
○人事課長(浦田幹男君) 区関係団体等は、事業等の実施をより円滑に行うにあたり、区と密接な連携が必要との考えから、職員紹介の要請があるものと把握しています。また、各団体等では、事業運営に必要とされる経験豊富な幹部職員のノウハウ等を活用し、より効果的・効率的に団体運営を実施するために、団体職員の退職状況等を踏まえ、区へ再就職の要請が来ているものと考えてございます。したがいまして、これらの要請はあっせんが前提というようには考えてございません。
○委員(小斉太郎君) 結局は毎年、いわゆる枢要なポストで、役所から退職者が行っているわけですから、その人がやめるときに、自分と同じような経歴の人をということを言っているというように善意で解釈すればとらえられるわけですけれども、非常に連続性があるわけです。ですから、幾ら課長があっせん前提ではない。その都度、要請があると言っても、それはなかなか理解が得られないと指摘しておきたいと思います。
それと、会派でいただいた資料によりますと、今私が言ったことと重複しますけれども、ケーブルテレビジョン東京から始まって、みなと都市整備公社、勤労者サービス公社、住宅公社、スポーツふれあい文化健康財団、シルバー人材センター、社会福祉協議会、済生会、国際交流協会、体育協会、これだけあるわけですけれども、何代も続けて同じポストに退職職員がついているということがわかるのです。ですから、これは事実上の指定ポストだと。これは憶測ですけれども、退職者のだれが行くのかは区役所で決めるのかもしれませんが、いろいろ希望とか聞いて、人をつけると。それがあっせんだと思います。国の公益法人の天下り、これも指定ポストと言われていて、何々省の何々次官を終えると、ここの理事長になるというのが指定ポストですけれども、これと同様の構図だと指摘せざるを得ない。
さらに続けますけれども、いわゆる再就職した際に、給料とか退職金とか、そういうものはどのようになっているのか。把握しているのかということを伺いたいと思います。
○人事課長(浦田幹男君) 再就職先での給料、退職金については、各団体で決定されております。
なお、区は、この団体に対して紹介する際に、区での再任用職員制度における給与等について説明もしてございます。したがいまして、再任用職員制度での給与等を上限として支給されているものではないかと認識してございます。また、再任用職員制度では、退職金の支給はございません。
○委員(小斉太郎君) 把握していないという答弁ですよね。再任用制度の仕組みを紹介しているだけだということですけれども、そのようなことはないと思いますけどね。きちんとこのように慣例化されてやられているわけですから、昭和39年から毎年のことだから、これは把握していると思います。非公式的にね。ただ、なかなか課長のレベルではそれは言えないということだと思います。確かに国の天下りのように何千万円も退職金をもらうという仕組みではないものと推察いたしますけれども、それは金額の多寡ではないと思います。
それと、紹介の職場へ退職されて行かれますよね。その後、また幾つか次のところ、次のところと、国でいうと「わたり」ですけれども、そういうことは把握されていますか。
○人事課長(浦田幹男君) 区で紹介した区関係団体等の退職後ですけれども、新たに就職する事例については、幾つか承知をしてございます。ただ、区が直接関与した就職ではないため、国で行われているいわゆる「わたり」というものには当たらないと考えてございます。
○委員(小斉太郎君) いや、実態は「わたり」なのです。情報に疎い私でも何件か違うところに就職している方の事例を知っています。だから、それに区は関係していないと言ってやっていること自体、何か少し後ろ向きな感じがします。問題なく必要な仕組みなのだということであれば、堂々とやって、給料とか退職金とかの状況も含めて把握すればいいのではないかと思いますけれども、そういうことをやっていないということ自体が、余り公にしてほしくないなという思いが感じられる対応だと指摘しておきます。
それと、先ほど申し上げたように、外郭団体等に行かれる方以外の退職者の動向について伺いたいのですけれども、便宜上、20年度決算ですから16年度から20年度まで5年間、管理職の退職者は各年度何人で、外郭団体等への再就職者は何人で、それ以外の方は何人で、外郭団体等以外の再就職先というのは把握しているのかということを伺いたいと思います。
○人事課長(浦田幹男君) 平成16年度が管理職退職者6名中2名、平成17年度が2名中1名、平成18年度が5名中3名、平成19年度が5名中1名、平成20年度が7名中4名ということで、平成16年から20年度までの5年間で、管理職の退職者25名中、区関係団体等への再就職は11名となってございます。また、これ以外の再就職の状況については、区としては把握してございません。
○委員(小斉太郎君) 毎年外郭団体等に行っているけれども、それ以外の人の再就職は把握していないと。把握していないということはあっせんもないということを言いたいのだと思うのだけれども、本当にあっせんがないのかということと、把握の必要は感じていないかということを伺っておきます。
○人事課長(浦田幹男君) 区関係団体以外の紹介という形のものはしてございません。また、職員は退職した時点で区職員ではなくなります。したがいまして、関与する立場にもないということでございます。よって、実態調査、その結果報告等を行うという考えはございません。
○委員(小斉太郎君) 次の質問は、実態調査とその結果報告を求めるが、いかがでしょうかということなので、それを答えていただきたいのですけれども、今、公務員ではなくなるから把握の必要はないというような趣旨でおっしゃられましたけれども、そうは言えないと思うな。この間、参議院の要請に基づいて行われた会計検査院の検査ですけれども、必ずしもこれが港区に当てはまるというのは、私も調査していませんし、わかりませんが、独立行政法人に役所から天下っている場合に、その天下った先の事業者だとか、そういうところからの契約が極めて多いと。天下り先の契約金額はそれ以外の契約金額の28倍になっている。ということとか、天下り先に発注した場合、平均の落札率が95%以上になっている。このような調査結果もありまして、よもや港区ではそのようなことはないと思いますけれども、これまで公務員として、言ってみれば発注する立場にいた人間が退職して、今度受注する立場に行くとなった場合に、役所の責務として大きな影響力を行使できる可能性があるわけで、そういう意味では役所を退職はしたけれども、退職後の職員の動向というものは、きちんと把握しておく必要があるのではないかと思うのです。そういうことも含めて、実態調査というのはすべきだと思いますけれども、どうでしょうか。
○人事課長(浦田幹男君) 区の契約というのは、常に公正、透明に行われているものと把握してございます。また、繰り返しになってしまいますけれども、職員は退職した時点で区職員ではなくなるという状況がございます。したがいまして、先ほどお話し差し上げましたように、実態調査、その結果報告等については行う予定はないと考えます。
○委員(小斉太郎君) 課長のレベルではなかなか、長年続いた慣行で、政治的な側面もあるのかもしれないので答えられないのかもしれませんけれども、今、区民にとどまらず、国民の目というのは非常に厳しいものがあると思います。我々議員にもそういう意味では向いているわけですね、そういう厳しい視点がね。ですから、今おっしゃられたように、性善説で、港区ではそういうことはないと、それはそれでいいのですけれども、ないということをきちんと説明していく姿勢というものが必要です。今の答弁では、「ないのだから、やる必要ない」というように受けとめますけれども、これはしっかりやられた方がいいと思います。
私も政治家の端くれでありますので、特に区長、副区長に申し上げておきたいのですけれども、時代は大きく変化していると思います。昭和39年に始まって続けてきたことではあるのかもしれないけれども、百歩譲って、一定の退職者が外郭団体等に行くことの意味合いというものはあるかもしれない。ただ、そういうことをすることによる不信感みたいなものは根深くあるということです。これは各款審議ですから課長にお伺いしていますけれども、トップダウンで世の状況を踏まえて判断し、決断していってもらうしかない案件だと思います。ぜひそのようにとらえていただきたい。
これは前政権下でありましたけれども、国でも、国家公務員法では、省庁とかかわりの深い企業には2年間再就職はできないとか、平成19年度には再就職に内閣承認が必要だとか、人事当局のあっせん禁止とかも国家公務員法の改正で盛り込まれているということもあります。それに基づいて、人事院の白書には、どのような役所の官僚の人がどこに再就職したかというのは公表されています。逆に言えば、それだけ国の方では改革が進んでいるわけで、先ほど申し上げたように、給与の多寡にかかわらず、厳しく身を律するということが求められていると思います。
何か大問題が発生して、このことを取り上げているわけではないですけれども、より透明で説明責任を果たしていくと。今、65歳まで皆さん働けますよね、管理職の方も。給料は多少減るのかもしれませんけれども。それだけ能力があって仕事をやっていただけるのであれば、役所の中に残ってもらって仕事をしてもらってもいいぐらいだと思います。変に外郭団体等に行って無用な誤解を招くより、その方がよっぽどいいと私は思いますので、ぜひ区長以下、特別職の皆さんには、世情の流れも踏まえていただいて、よく考えていただきたいと思います。
では、次の質問に移ります。
次は、行政改革についてであります。これは先ほどの歳入の項目とか、総務費でもありましたかね。今回の予算編成方針でも、中期的な視野に立って事業をきちんと構築していこうというようなことが盛り込まれた、杉本委員の質問だったと思いますが、ありました。正直言って、行革の取り組みというのは、私が2年数カ月前に戻ってきたときには隅っこに追いやられていたような気がしています。これはいろいろ皆さんにお話をお伺いすると、区長肝入りの区役所・支所改革に全力投球していたと、このようなお話でありました。それと含めて、潤沢な財政状況が行革意欲というものをそいでいたことも否定できないと思います。
幾つかまとめて聞きますけれども、基本的な考え方ですが、財政に余裕が続くこの間、去年も最終補正を含めて200億円ぐらい余剰金があるわけです。こういう状況が続く中で、具体的な行革の取り組みというものはどのようになされてきたのか。それと、今、私が申し上げたように、区役所・支所改革において、いろいろ振り分けなければいけないので内部改革として事業の棚卸しをやったと思います。そのときに行革の視点で事業精査というものはしなかったのかということです。これも先ほど言いましたけれども、財政に余裕があることで、行革の取り組みが停滞していたとは言えないか。行革の必要性というものをどのように考えているのか。財政状況と行政改革の関係をどのように考えるのか。このことをまとめてお答えいただけませんか。
○企画課長(櫻井純君) 今、3点のご質問があったかと思います。1点目でございます。まず、財政状況と行政改革の関係についてでございます。いかなる財政状況におきましても、不断の行政改革に取り組むことが必要と考えており、良好な財政状況に決して甘んじることなく、指定管理者制度導入や外郭団体改革、あとは職員定数の削減をはじめとする行政改革を行うことで、簡素で効率的な区政運営の実現とともに、効率的かつ効果的な行政サービスを提供するよう全庁挙げて取り組んでおります。
2点目でございます。最近の具体的な行政改革の取り組みについてでございます。平成14年3月に策定しました行政改革大綱の趣旨を踏まえて、これまで職員定数削減、行政評価、外郭団体改革などを実施するとともに、新たに指定管理者制度を導入するなど、簡素で効率的な行財政運営の実現を目指し、行財政改革に果敢に取り組んでまいりました。主な取り組み状況でございます。まず、外郭団体改革についてでございます。平成19年7月策定の外郭団体改革プランでは……
○委員(小斉太郎君) それ全部言うのですか。はしょってください。
○企画課長(櫻井純君) それでは、3つ目の質問に移らせていただきます。区役所・支所改革の際の事業精査についてでございます。平成18年からの区役所・支所改革の実施にあたっては、区民サービスの質の向上を目的に、全事務事業の調査を行い、支所と支援部の体制を構築いたしました。また、区役所・支所改革の3年目の見直しが行われた平成20年度には、改革後の全事務事業について検証を行い、事業実施にあたっての課題を明確にし、解決策の検討を行っております。平成21年度におきましても、課題解決に向けて、引き続き検討を継続しているところでございます。
以上でございます。
○委員(小斉太郎君) 企画課長、すみません、用意してもらったのに申しわけないですが、少し時間がなくなってきたので。不断の行革は必要だとおっしゃっていて、確かに指定管理者制度導入とか、外郭団体改革もおやりになられてきたと思いますけれども、事業そのものを不断に見直すという作業は停滞していたと思います。それは最後の答弁にもあったように、区役所・支所改革で全事務事業を調査し、検証し、課題解決に向けて努力していると言っているけれども、これは区役所・支所改革をするための事務事業の検証であって、行革視点ではないということを、逆に言えば明らかにしてくれたのだと思います。
先ほどの歳入の際のやりとりにもありましたけれども、執行残額、不用額の4割ぐらいは、利用者等の伸び悩みとかということが理由になっていると。要は想定した事業が、想定されたように実施されなかったということで、4割ぐらいの不用額が出ているという、この1点をとっても、事業そのものを事前事後にしっかり見直していくという仕組みが甘くなっていたのではないのだろうかと言えると思います。そもそも今の行革の大方針は何かと言えば、平成14年に行ったものがよりどころになっていて、そこの1点を見ても、やはり停滞していたというふうに指摘せざるを得ない。
今回の自民党さんの代表質問の答弁で、区長は、「すべての事務事業の効率性・効果性の見直しを行う」と言明されております。ぜひやってほしいのですけれども、もう時間がなくなってきたので、私が言って終わるつもりですが、以前やっていたような多大な労力とコンサルにお金をかけて事務事業評価をやっても、余り意味がないということがわかったのです。私も当時は、事務事業評価システムというものはいいものではないかということで、大分前にここで発言したこともありますが、やってみて、労多くして成果が少なかったと。それが停滞した一つの原因でもあると思っています。シンプルに事業の必要性とか、本当に区役所がやるべきかとか、そういうことを精査するということが、まず一番大事だと思います。その上で、予算編成過程を中心に、事業の計画から実行、チェック、そういう仕組みを構築していく、こういうことが重要だと思います。
これは事業仕分けという手法で、今急速に広まっています。これは自民党さんも前政権時代に無駄遣い撲滅プロジェクトというので、各省庁に事業仕分けのチームを入れて、文部科学省とか、そういうところの事業の仕分けを行ったりしています。公明党さんもマニフェストで書いている。民主党もマニフェストで書いていて、今度は行政刷新会議というものをつくって、現実に事業仕分けを動かしていくというような流れになっています。これを提唱している構想日本というNPOがありますけれども、これまで40から50の事業仕分けの実例が地方自治体でもあるようですけれども、その実績を見ると、おおむね10%程度の歳出削減につながっているという報告書が出されているということで、この事業仕分けのポイントはシンプルにやるということです。それと、外部の視点でチェックする。最終的にはそれを見て、区長が判断するわけですけれども、外部の視点を入れて、全面公開で徹底議論する。何人もその議論の中に含むということです。成果を数値化して公表する。
役所というと、ともするとその中だけで何とかうまくいかないかというベクトルが働くわけですけれども、常に外向きにすることによって、逆に信頼感が増すのです。ですから、私はこの事業仕分けという仕組みをいろいろ調べてもらって、今後の行革の取り組み、今は企画課長が中心になっているのかわかりませんが、行革会議みたいな内部会議でいろいろな議論がなされているようですけれども、ぜひこの事業仕分けの視点を取り入れて、よく調べてもらってやってほしいと思います。これを最後に伺って終わりたいと思いますが、これだけ言いたかったので言わせてもらいますけれども、おかげさまで大分体重が落ちたのです。だれも言ってくれないので自分で言いますけれども、15キロぐらい落ちているのです。私は太りやすい体質なので、減らすのも大変ですけれども、維持するのも大変なのです。ちょっと食べると、すぐ太るということなので、毎日子どもと一緒にヘルスメーターに乗りながら、「おっ、きょうは79.8キロだ」とか言ってチェックするようにしているわけですが、これは区の事業展開に似てはいないだろうかと思うのです。
これも資料を出してもらったのですけれども、この10年間で事務事業は、新規で451事業ふえています。減ったのは31事業しかない。差し引き420事業増えているわけですけれども、一概にふえることが悪いとは言いませんが、これが先ほどの不用額の増加の結果にも一つあらわれているのではないかなと思います。一度ふえたら、なかなか減らない。体重と同じように落とすのは大変だということだと思います。ぜひ、今の事業仕分けの仕組みとかも使って、事前事後のチェックをして、常に太り過ぎないように管理していくと。これは財政状況にかかわらないことだと思います。その点も含めて、先ほどの事業仕分けの件を聞いて、終わりにしたいと思います。
○企画課長(櫻井純君) いわゆる事業仕分けにつきましては、さまざまな要素を取り入れて、総合的に個々の事務事業の必要性を判断していこうという取り組みと受けとめております。確かに国やほかの自治体で実際に導入されている例もございますので、それらを参考にしながら、現在、行政評価制度につきましては再構築を進めておりますので、その中で生かしていきたいと考えております。
○委員(小斉太郎君) 太りやすい体質についても聞きたかったのですが、時間がないので終わります。
○委員長(林田和雄君) 小斉委員の発言は終わりました。
……………………………………………………………………………………………
○委員長(林田和雄君) 次に、二島委員。
○委員(二島豊司君) まず初めに、地域防災について、先ほども質問が少し出ていましたが、私も伺わせていただきます。
まず、平成21年3月31日現在で219あります防災住民組織、これについて、町会や自治会といった、そういう本体と混同されることが多いのですが、違いについてご説明をお願いします。
○防災課長(遠井基樹君) 防災住民組織でございますが、震災から地域社会を守るために、町会・自治会等を母体として住民が自主的に結成した組織のことを言っております。委員のご指摘のとおり、平成21年3月末時点で219団体が設立されております。防災住民組織は、主に町会・自治会を母体としておりますが、実際名前はそのまま引き継いでいない団体がございます。防災会、あるいは防災部という名称を使用しているところが多くございます。
なお、一部の町会・自治会では、防災会等を設置していないケースもあるので、混同を招いているのかと思われます。
○委員(二島豊司君) 町会ではほぼ一体なのでしょうけれども、一部であったりすることもあると思うのです。防災住民組織という組織が地域防災にあたる中心であるということだと思います。この防災住民組織に対する助成や支援というのは、港区の要綱上、防災資器材の供与、防災資器材収納庫、小型消防ポンプの貸与とされていますが、そのほかに、助成や支援というものはあるのでしょうか。
○防災課長(遠井基樹君) そのほかの支援でございますが、組織の運営費の助成を行っております。
○委員(二島豊司君) 白金にあります町会の防災部、こちらは防災住民組織にあたると思いますが、独自の防災訓練を催したり、三田にあります町会では、防災部の方々が防災に関する講演を開催したり、また、今後は区の備蓄物資とは異なる非常食を展示したりするなどの独自の防災イベントを企画されて、近隣の商店やホームセンター、コンビニなどとの連携を模索すると、そういう活動のように、住民の皆さんが自ら率先してアクションを起こし、その地域の防災意識の向上のために活動をなさっておられます。そのことが地域に住む多くの方の関心を引き、区の広報などだけでは情報がなかなか届きにくい方々に対しても、興味を引くことによって情報が届けられ、防災意識の向上に寄与するといった効果もあるものと思います。そのような意欲のある組織については、そういった活動をバックアップするための支援があってもよいのではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○防災課長(遠井基樹君) 現在、各総合支所が中心になりまして、防災住民組織の活動支援をしております。いろいろな工夫をし、非常に熱心に活動をやられていることについても私ども十分承知をおります。それからマンション住民との連携強化でありますとか、高齢化など地域の課題、それぞれ抱えておられることも認識しております。
今後の防災住民組織に対する支援でございますが、ただ防災資器材を貸すだけではなくて、防災というと、どうしてもかた苦しくなりますが、例えば、総合支所と協働してお祭りをするなど、参加しやすくするとか、マンションの防災自主組織の結成と町会への加入促進などの支援について総合支所と一緒に実情を考慮しながら進めてまいりたいと思っております。
○委員(二島豊司君) 総合支所が窓口となっていくと思われますので、連携しながら、そういった事業活動のフォローアップも含めて、ぜひ支援をしていただきたいと思います。
また、数ある防災住民組織の中にはそのような活動を進めている組織がある一方で、さまざまな制約があって、そこまで手が回らないような組織もあるのではないかと思われます。災害は広域的に発生するわけでありますから、面的に防災に対する意識の向上を図り、一定のなるべく高い水準での意識の統一が図られること、これも求められるわけであります。活発に活動する組織を参考とするなどして、でき得れば、すべての組織に対する行政からの働きかけも必要と考えますが、その点についてはいかがでしょうか。
○防災課長(遠井基樹君) 地域の活動というのは、高齢化が進んでおられたり、財政の面、それから人の問題、いろいろな課題によって、町会・自治会の活動そのものがなかなかうまくいかないというケースも聞いております。先ほどの答弁同様、総合支所と連携いたしまして、防災対策や災害対策のみならず、コミュニティづくり、あるいは防犯対策、安全・安心の取り組み、落書き消し、それからお祭り、さらには、いろいろうまくいっている組織の例を参考に一緒に考えていただくような働きかけも積極的に行っていきたいと思っております。
○委員(二島豊司君) 防災というのは、いざ事が起こったときはもちろんですけれども、日ごろの心がけというか、心づもりが最も大事なのかなと思います。顔見知りになるというところからスタートすることが非常に重要だと思われますので、ぜひ総合支所と支援部とで連携して進めていただきたいと思います。
続きまして、旧町名由来板の設置、これについてお伺いさせていただきます。
区政60周年記念事業として平成19年度からは3年間の予定で麻布地区からスタートし、各地区で進められてきたこの事業は、今年度で3年目の区切りを迎えることとなりますが、先行の麻布地区を含めて、これまでの実績をお伺いいたします。
○地域振興課長(田中修平君) 旧町名由来板は、その地域の歴史を文化の視点で都市の記憶として保存し、次世代に引き継いでいくということを目的に、区民の意見を取り入れながら、区内全域への設置を進めております。これまでの実績といたしましては、平成18年度に、先ほどありました麻布地区において区政60周年記念事業として7基設置いたしました。それから平成19年度からは、私どもから各総合支所にお願いする形で、平成19年度、平成20年度までに芝地区に8基、赤坂地区に5基、高輪地区に4基、順次設置してまいりました。本年度におきましては、芝地区で8基、赤坂地区、高輪地区でそれぞれ3基、追加設置する予定となってございます。
○委員(二島豊司君) ありがとうございます。今伺って、すぐに計算できないのですが、もう随分いろいろなところで見かけるようになってきたなという感じを私もしております。この旧町名由来板が設置されることによって、その地域に長年住み続けてこられた方にも、また新たに移り住まれてきた方に対しても、さらには、その町を訪れた方に対しても地域の歴史や文化を知ってもらい、同時にその地域への愛着をより深めていただく、そのための大きなツールとなり得るものと思います。まだ網羅されていない箇所があれば、来年度以降も引き続き追加していただき、また内容についても、先ほどの目的に資するような新たな事柄が判明したりするようなことがあったときには、更新していただきたいと思うところであります。3年目の区切りがついた来年度以降、この事業への取り組みについてお聞かせください。
○地域振興課長(田中修平君) 本事業は、平成21年度、本年度で一応一つの区切りをつけるつもりでございます。ただし、地域の文化資源を活用した歴史、文化の継承、それから保存、それにより地域の理解を深めていくことは、とても大切なことだと考えております。今後でございますけれども、例えば、芝浦港南地区の田町駅東口北地区などの開発計画、あるいは各地区のまちづくり整備の状況などと照らし合わせながら、設置の検討を進めるなど、今後とも、各総合支所や関係所管と連携を図りながら、地域の文化資源である旧町名の効果的な活用を検討してまいります。
○委員(二島豊司君) 非常に大切なことだと思いますので、ぜひ3年で終わることなく来年度以降も進めていただきたいと思います。
これは感想なのですが、幾つかの町名由来板を見させていただくと、その記載の中に、「この名称についてはこれこれだが、定かではない」とか、「6個あるうちの3つが定かではない」と書かれていたり、「ここは非常に寂しい土地だった」とか、そういう表現があるところがあるわけであります。記載する内容をいろいろ調べてお書きになると思いますので、学術的な正確性を欠くことがあってはなりませんが、選ぶことはできると思います。町名由来板を設置するという趣旨に沿った記述をしていただきたいと思います。
高輪地区総合支所の事業概要に出てくる事業内容には、すごくいいことが書いてあるのです。「港区内に数多く存在する歴史や文学、歌舞伎に残る旧町名を、文化の視点で都市の記憶として保存するとともに、区民の方々に地域に対する愛着を深めてもらうことを目的に、旧町名由来板を作成し設置します」と。「文化の視点で都市の記憶として保存する」と、役所が書いた文章とは思えないような事業の目的ですけれども、そういう趣旨に沿った、かなう記述をしていただきたいと。非常にいいものであるので、町名由来板を設置するということが自己目的化して、金属の板をまず建てるのだということではなく、その中に書いてある記述を地域の人に知っていただきたいということにいま一度立ち返っていただきたい。国際化の推進とか、早期英語教育ということが無批判に称賛されるような風潮がある中で、文化に目を向けよう、歴史に目を向けよう、自らが住む地域にスポットをあてる。この事業は非常にすばらしい事業だと思いますので、ぜひ、先ほどの私が申し上げたことを頭の隅に置きつつ、今後のメンテナンスも行っていただければと思います。
以上です。
○委員長(林田和雄君) 二島委員の発言は終わりました。
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○委員長(林田和雄君) 次に、樋渡委員。
○委員(樋渡紀和子君) 去る9月17日の本会議で、私は一般質問に立ち、国の男女共同参画社会基本法制定10周年にあたり男女平等参画の実情を述べ、区長のご意見を伺いました。残念ながら建設的なご意見は伺えませんでしたが、港区は条例を制定し、5カ年の男女平等参画行動計画を策定し、幅広く事業を実施してまいりましたとの返事でしたので、それでは、どのような事業が実施され、具体的にどのような成果があったのかお示しいただきたいと思いました。よろしくお願いいたします。
○人権・男女平等参画担当課長(若井世台子君) 男女平等参画行動計画の特徴は、年次計画による計画的な事業実施とともに、区長の諮問機関である男女平等参画推進会議による第三者評価を得ながら、事業の進行管理と改善を図る仕組みを取り入れていることでございます。こうした取り組みの中で、第三者評価により高く評価された具体的な事業といたしましては、男女による子育ての支援が挙げられます。各種子育て支援施策の内容の充実、利用実績の増加により、母親の育児負担の軽減に寄与したのみならず、男女平等参画の視点から、父親が事業に参加しやすい曜日、時間設定などにも取り組んでおります。
さらに、子育て王国基金を活用し、病児保育の立ち上げなどの先駆的な事業も実施しております。また、平成16年3月に港区男女平等参画条例を制定したことを受け、平成17年度から区民との協働事業として、男女共同参画週間記念フォーラムを毎年開催しております。こうした取り組みにより、男女平等参画社会の実現に向けて寄与しているものと考えております。
○委員(樋渡紀和子君) 子育て支援については、私も非常に高く評価しております。港区がマスコミによってクローズアップされて、港区ではこのようなすばらしい子育て支援をやっているということが世間に広まりました。これはすばらしいと思います。ただ、そのほかにこれといって認められるようなものがなかなか見当たらないというのが、私は残念でございます。たしか平成20年度の予算特別委員会でも私は評価の問題を取り上げ、男女平等参画推進会議の委員たちの行った評価が軒並みかなり低かったということを今思い出しております。ですから、この行動計画によって、行政の各分野で意識を高め、そして男女平等の精神に基づいて行政を行っていくという視点がやや欠けているのではないかと当時は思いました。政治が変われば、また手法も変わっていくと思います。それで、行動計画についても考え直して、もっと効果をもたらすような行動計画であってほしいと願っています。
それで、今後とも、各種施策に全庁的に取り組むと区長は述べられておりましたが、それでは、具体的にどのような施策を実施しようとしているのか、明らかにしてください。
○人権・男女平等参画担当課長(若井世台子君) 現在、平成22年度を初年度とする次期行動計画の策定に向けて、男女平等参画の視点から各課にヒアリングを行うなど、全庁を挙げて取り組んでおります。今後、10月と12月に女性の再就職支援、12月にDV被害者支援講座などを庁内の関係各課や他機関との連携により実施する予定です。
また、男女平等参画センターの拠点施設としての機能を高めるための講座を11月、12月に新たに3回実施いたします。これは区民と男女平等参画センターの協働のために必要な知識と視点の獲得とワークショップ形式も取り入れ、リーブラを利用するさまざまな立場の人の課題の共有を目指すものです。今後とも、男女平等参画を具体的に推進する団体の育成と団体相互間の連携、区との連携を深めるために取り組んでまいります。
○委員(樋渡紀和子君) 今、お話にありました再就職支援、これは大変結構だと思います。私も前回の予算特別委員会のときに申し上げています。リーブラでもっと実効的なことをやるべきではないかと、啓蒙的なものはもうたくさんですと。それよりも、例えば、保育所が足りないならば、リーブラの男女平等のための参画推進グループがいるわけですから、そういうグループの方たちが使う部屋は保育所に一時してしまうとか、そういうことまでしてもいいのではないかと思いますと。それから、たしか就業支援についても、特に仕事のない女性たちに仕事を探す、そういうこともやったらいいのではないかと言っていたと思います。
ただ、再就職支援ということでどういうことをするのでしょうか。例えば、技術指導を行って就職しやすいようにするとか、そういうことではないかと思いますけれども、もっと積極的に職をつくり上げるということをやるべきではないかと思います。例えば、今、指定管理者になってしまっておりますけれども、リーブラの仕事を区民の女性たちに与えたら、それだけで多くの人が職につくことができるわけです。雇用を創出するということもひとつ必要な、積極的な活動だと思っています。
現在、日本社会の状況は、男女平等参画を進めようとする人にとっては、まさに逆風が吹いています。少子化をすべて女性のせいにする思慮に欠ける人々、安楽な生活を夢見て専業主婦になりたいという若い女性たちがいるといっている人、家庭の破壊は女性が家事を放棄して仕事に出るからだと安易に決めつける男性たち、申し上げれば切りがないほどバッシングがあります。でも、その中で努力を続けているグループも港区内にはあるのです。彼女たちの目指すところは、周囲の悩みを抱える女性の力となり、女性の地位向上を図り、欧米先進国並みの男女平等を実現することで、自分の時間もお金も無償で提供しているボランティア活動をしている人々です。
行政は、まさにこうした人材に手を差し伸べ、後押しすべきではないでしょうか。あらゆる施策にまさる施策ではありませんでしょうか。もしも男女平等の施策が非常に効果的であったならば、今、ほとんどが男性というこの部屋に、もっと女性がいてもいいはずです。これが日本の現実です。ですから、そのために行政は力をかしてほしいと私は思っています。ただし、男女平等の仕事というのは、行政だけでは絶対できないのです。やはり区民の参画、協働が不可欠で、女性自身が動かなければ結果は出てこない。ですから、区の行動計画は職員の意識とともに、区民を動かす力を引き出すものであってほしいと私は願っています。
次に、現在、指定管理者に委託されているリーブラについてお伺いいたします。
この件につきましても、区長のご意見を私は一般質問で求めましたが、残念ながら建設的なご意見は伺えませんでしたが、男女平等参画センター運営協議会を設置して、円滑な運営を図るということでございました。そこで、この運営協議会なるものについて、幾つかの質問をさせていただきます。
まず、運営協議会のメンバーの構成はどのようになっているでしょうか。
○人権・男女平等参画担当課長(若井世台子君) 運営協議会の構成につきましては、男女平等参画社会の実現のために具体的に活動する団体、センターの利用者、指定管理者及び区の4者となっております。
○委員(樋渡紀和子君) 今のお話ですと、要するに男女平等参画推進グループと、それからリーブラを利用している利用者グループと、そこで同席して運営について協議するということだと思いますけれども、実は、男女平等参画推進グループというのはそのために活動しているグループなのですね。それに対して、利用者グループというのは、ある意味では自分たちが部屋を使えて、そして、そこで自分たちの文化活動が十分に行えればいいとだけ考えているグループが少なからずあるのではないでしょうか。この2つのグループは目的が違うのですよね。ですから、この両者が一緒になって、男女平等参画推進センターの運営を考えるというのは少し不安定な、要するに目的が一致しないところで運営を審議するということになるので、問題ではないかと私は思っています。ですから、運営協議会が運営について協議するというのは、実際にセンターを行政側の男女平等参画推進の拠点として活用するというには少し不十分ではないかと思います。
次に、運営協議会の権限とか、あるいは法的根拠は何でしょうか。
○人権・男女平等参画担当課長(若井世台子君) まず、法的権限につきましては、港区男女平等参画センター運営協議会設置要綱に基づいております。この要綱により、運営協議会はセンターの適正かつ円滑な運営を図るとともに、センターの事業の企画運営に利用者の意向を反映させるために設置したものであり、センターの事業に関すること、センターに対する要望、意見等に関すること、その他必要な事項を協議する機関となってございます。
○委員(樋渡紀和子君) 今のお話ですと、意見を述べることができる。ですから、決定的な権限は委員には全くないわけです。ところが、よく運営協議会の中で出てくることは、「これでよろしいでしょうか、こういうふうにしてもよろしいでしょうかというふうに言われる」と委員の方は言っています。「でも私たちには決定権は全くないわけだから、これでいいですかと言われても、返事のしようがない」というふうな話が出ておりました。ですから、この運営協議会そのものが区民の参画を求めているならば、参画した区民たちは、そこで述べた自分たちの意見が、これからのセンターを形成していくものになるのだという自信を持って、責任を持って意見を述べることができるように、やはりある程度の権限を与えるということも必要だと思います。しかし、それにしては、現在の運営協議会のメンバーは果たして、それだけのレベルに達しているのでしょうかという問題も出てまいります。
それで、次はメンバーの満足度についてお伺いいたします。
○人権・男女平等参画担当課長(若井世台子君) 運営協議会の構成員の方の満足度は把握しておりませんが、従前は備品の修理を議題にすることも多かったのですが、平成21年度はセンター事業の企画運営に係ることを主な議題とし、協議しておりますので、一定の評価はいただいているものと考えております。
○委員(樋渡紀和子君) メンバーの満足度ということですけれども、私はこのメンバーの四、五人の方たちから聞き取りをいたしました。そこでかなりの不満、不平があったということです。ですから、これはリーブラの運営上、決していいことではないと思うので、私はここで申し上げております。
例えば、これは一般質問の中でも申し上げたことですけれども、男女平等参画推進グループの方たちは、例えば、区長からご支援をいただいて、そして補助金などを使って活動いたします。そうすると、必ず報告書を書かなければならないのです。その報告書を書くときに、そのあて名が株式会社○○ということになるわけです。「私たちの活動報告まで株式会社○○という港区民でもない人あてに出さないといけないのかという不満があります」ということでした。もちろん、部屋を借りるときの申請書とか、それは別に構わないということです。ただ、推進活動している人たちの活動報告とか、そこまでになってくると問題ですということです。
それから、受付の窓口のいろいろな態度だとか、そういったところにも不満があるということでした。それから推進会議の中でも意見がいろいろありまして、非常に難しい問題があるということです。ですから、そういった実情を私は聞き取りまして、それならば、そこはやはり考え直さなければいけないのではないかと思いますので、ご検討をお願いいたします。
以上で私の質問を終わります。
○委員長(林田和雄君) 樋渡委員の発言は終わりました。
歳出第2款総務費の質疑の途中でありますが、以上にて本日の審議を終了いたします。
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○委員長(林田和雄君) これをもちまして、本日の委員会を閉会いたします。
午後 5時58分 閉会...